2024年 5月 2日 (木)

ルポ・ハローワーク 「求職中」の若者に希望はあるのか

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就活とは「当たらないクジを引いているみたい」

「女性はまだ『明らかに女性を求めている仕事』があるので、男性より少し楽かもしれないです」

   こう話すのは技術系や事務系の派遣社員をしていた男性(30)だ。3か月前に短期派遣契約が切れ、就職活動中という。

「応募してみたら『女性しか採る気がない』という企業は結構あります。男性としては厳しいですよね」

   さらに、募集している企業について

「今は『上か下か』、しかないんです」

と表現する。

   どういうことかというと、「上」というのは経験者採用。4、5年の実務経験を求める企業が多い。ただ、

「そんな人はとっくに正社員で働いているだろうと」

とため息混じりにこう話す。

   一方、「下」、というのはあやしげな、いわゆる「ブラック企業」からの募集。

「この時代に100人単位の募集、月給30万以上、未経験OKなどを売り物にしています。飛び込み営業とか金融会社とかが多いですね。あまり『甘いニオイ』を出す企業は逆に怖いです」

   求職中の人はそういうブラックの「ニオイ」を察知する能力がすごいそうで、変な「ニオイ」のする会社には誰もいかない。だからまともな会社の求人には応募が殺到する。

「実際の有効求人倍率はもっと全然低いんじゃないですかね」

それが実感だそうだ。

   求職の選択肢が少ない中で、今後の見通しはどうなのだろうか。

「派遣なら何とか決まるかなぁという感じです。コツコツとやろうと思ってます。ただ、本当に条件は厳しい。努力して決まる、というよりも『運』かな、というくらい。当たらないクジを引いてるみたいな感覚ですよね」

と言い、最後にこうつぶやいた。

「希望をもたないと、やってられないです」
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