2021年 9月 25日 (土)

最高学府はバカだらけ この現実どうするのか
(連載「大学崩壊」第1回/大学ジャーナリスト・石渡嶺司さんに聞く)

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「駄目な学生」を決して見捨てない金沢工業大学

――この二つの学力低下要因(学習指導要領、入試)の背景にあるのが、「大学が多すぎる」ということですね。

石渡:   大学が増えた一番の原因は、短大が急速に4年制大学に移行したこと。05年に596校あった短大が、08年には417校。ですから、約200校が移行した形です。しかも短大は約8割が定員割れ。4大以上に状況は厳しい。山脇学園のように、つぶれる短大も出てくるのですが、「つぶれるくらいなら、収入が2倍になる4年制に移行しよう」となる短大がほとんど。確かに2年制から4年制になる分、収入は増えるでしょう。ですが、当たり前の話ですが、経費も増えます。従って、「短大昇格組」は、非常に厳しい。次が、「自治体や専門学校が見栄を張って作った」ケースですね。専門学校であれば若干のPR能力はありますが、自治体は厳しい。例えば地元自治体が肝いりで作った鳥取環境大学は、定員割れが続いています。

――最後に、このような「ダメ学生」が多いという状況は、どうすれば改善できるのでしょう。著書では、「大学生活で『化学反応を起こして、見違えるようになる』学生もいる」というくだりがあります。どうすれば、この「化学反応」は進むのでしょうか。

石渡:   未成熟なまま入学してくる学生が圧倒的に多い。さらに、就職活動が事実上3年の夏には始まってしまう。そう考えると、大学で過ごせる時間は、明らかに短すぎるんです。ですから、せめてその短い間に、大学側は「サークル活動を充実させる」などの支援をすべきです。
   あるいは、入学前に「国が身分を保証するから、1年間アルバイトでもボランティアでもやりなさい」と、新たな活動を促すのはどうでしょうか。英国では、このような試みが行われているそうです。

――金沢工業大学は、手厚いサポート体制で有名ですね。

石渡:   ここは「駄目な学生」を決して見捨てないのが特徴です。学生は、中学・高校で教えられていないことも多くて、「知識の不良債権」みたいなもんです。普通の大学では、この不良債権を処理しないまま卒業させてしまったり、授業についていけずにドロップアウトしたり、という「ハードランディング」になってしまいがちです。ところが、この大学は、「ソフトランディング」を徹底的に目指す、数少ない例です。手を変え品を変え、補習・バックアップシステムを二重三重に構築したんです。この動きは他の大学にも広がっていて、望ましいことだと思います。

石渡嶺司さん プロフィール
いしわたり・れいじ 大学ジャーナリスト。1975年札幌市生まれ。私立北嶺中・高等学校、代々木ゼミナールを経て東洋大学社会学部社会学科に入学。卒業後、派遣社員、無職、編集プロダクション勤務ののち、2003年にライターとして独立。以後、大学・教育問題や学生の就職活動などを中心に評論・執筆活動を行う。近著に「進路図鑑2010」(光文社)など。

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