2024年 4月 16日 (火)

未だに「視界不良」麻生政権 党内に不穏な動き

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   総選挙を先延ばしして何とか政権にしがみついた麻生首相。しかし、自民党内に不穏な動きがあり、解散まで持つのか未知数だ。もしこのままなら、週刊誌などが予測する与党過半数割れの事態が待っているだけなのか。

またもやブレた印象

解散を決断した麻生首相
解散を決断した麻生首相

   観測気球を上げたものの、無残にも打ち砕かれてしまったらしい。

   都議選惨敗後の2009年7月13日未明、麻生太郎首相は、14日にも衆議院を解散、8月上旬の投開票の方針と一部新聞などが報じた。しかし、13日午後には一転、日程を先延ばしし、21日にも解散、8月30日の投開票の方針を表明し、またもやブレた印象を与えてしまった。

   政治アナリストの伊藤惇夫さんは、その事情をこう分析する。

「都議選後、即時の解散は、公明党が絶対反対しています。解散しようとしても、閣議で署名を拒否する大臣がどんどん出て、厳しい立場に追い込まれるでしょう。また、日程を遅らせることで、『麻生降ろし』を封じられるメリットが考えられます。この2つの意味から、即時解散を断念したのだと思います」

   似たような前例がある。1976年に、当時の三木武夫首相は、「三木降ろし」に抗して、衆議院を強引に解散しようとした。が、15閣僚に署名を拒否され、解散ができないまま任期満了を迎えている。麻生首相は、このことに考え及び、自ら手を打ったのかもしれない。

   とはいえ、まだ油断大敵だ。自民党の反麻生勢力や若手からは、「麻生では戦えない」と不満がくすぶっている。21日の解散までに政権が持つかについて、伊藤さんも「不透明なところが確かにある」とみる。政権が続いても、総理と自民党総裁を分離する「総総分離」の可能性もあるという。「それなら、解散後も総理の首すげ替えがありえますね」。

総選挙は、悲観的な見通しが大半

   このまま麻生首相の下で総選挙を戦うと、与党はどうなるのか。

   週刊誌などでは、悲観的な見通しが大半だ。例えば、週刊現代の2009年7月4日号では、民主党が倍以上の283議席と大躍進するのに対し、自民党は半減以下の130議席と大胆な予測を立てている。公明党が現状の30席ほどを維持しても、過半数の241議席には遠く届かないわけだ。また、かなりの大物議員が、落選の憂き目に合うとも予想している。

   7月10日の日経や読売の世論調査でも、自民党へ投票するのは、民主党の半分近い25%前後となっている。与党惨敗は、まんざら誇張とばかりは言えないようだ。

   政治アナリストの伊藤惇夫さんは、選挙予測はしていないとしながらも、次のように話す。

「与野党の議席が逆転し、政権交代が実現する確率が高いことは確かでしょうね。まだ、選挙まで1か月半もあり、状況が変わるかもしれませんが、政権交代への期待は高まっているようです」

   ポスト麻生としては、舛添要一厚労相や石原伸晃幹事長代理らの名前が上がっている。しかし、伊藤さんは、「誰になっても負けるというあきらめも広がっているようです。勇気がある人は新党に行くのではないでしょうか」と言う。

   民主党の鳩山由紀夫代表に持ち上がっている献金問題も、必ずしも勝てる要因にはならないという。

「都議選の結果が示したように、有権者の関心は、スキャンダルより政権交代に向かっています。もちろん、新たな疑惑の新事実が出てくれば、話が別になりますが」
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