2019年 12月 15日 (日)

広告主の意識変わった TV「この世の春」の終わり
(連載「テレビ崩壊」第4回/日本アドバタイザーズ協会 小林昭専務理事に聞く)

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広告主からの「質の高い番組作り」要望はとても強い

――テレビ局への注文はありますか。

小林 内部でいろいろ議論しています。テレビ担当の委員会では、CMの流し方が大きな問題だと議題になっています。クイズでもドラマでも肝心なところでCMが入るという今の手法は、CMを際だたせようと始めたものですが、むしろ不快だと思われるケースが増えています。これは見直す必要があります。CMの時間枠を柔軟にし、じっくり説明したい広告主のために長めの時間枠のCMを導入することも必要だと考えています。
   また、NHKを除く各局が同じような番組ばかりをつくる傾向も懸念しています。コストを下げようと、安易な生放送やスタジオに若手お笑い芸人を集めてワイワイやるというパターンが横行しています。広告主からは、「質の高い番組作り」への要望はとても強いのです。しかし、テレビ局側は「視聴者はそれ(質の高い番組)を望んでいない」と自分たちの番組作りを正当化します。確かに広告主にとって視聴率は大切です。どうでもいいとは、とても言えない。しかし、問題は視聴率だけじゃないだろう、と主張するのですが、なかなか受け入れられません。質の高い番組を望む視聴者は相当いると思うのですがどうでしょうか。

――視聴率の話が出ましたが、視聴率には表れない、録画して見る人を対象にした録画率を重視する考え方も出ています。一方で、録画視聴だとCMを早送りするCM飛ばしにつながるとの懸念もあります。

小林 これは個人的見解です。録画してもCMを飛ばさずに見る人が結構いるので、録画率は重視するようになっていいと考えています。前にも言いましたが、テレビは受け身の姿勢で楽しむもので、何度もCM飛ばしの作業をするのが面倒だという人がいてもおかしくありません。CM飛ばしをしない人が相当の割合いる、というデータもあります。勿論飛ばす人もいるでしょう。しかし、録画でなくてもCMのときは「トイレタイム」として、見ない人は一定数いる訳です。さほど心配いらないと思います。

――テレビの未来は安泰でしょうか、それとも倒産の可能性を含めた危機的状況でしょうか。

小林 媒体としての魅力・可能性は依然として持ち続けていると思います。しかし、現状のままでは厳しいでしょう。変わらないと生き残れない。変わらざるを得ない。テレビの人は、視聴者が大事、広告主のため、とよく言いますが、言ってることと、やってることがこれまでは違っていたと感じます。生き残れるかどうかは、視聴者や広告主の声にどれだけ敏感になれるか、にかかっている気がします。

<メモ:日本アドバタイザーズ協会>1957年に日本広告主協会として発足。70年に社団法人として認可される。2007年に日本アドバタイザーズ協会へ改称。トヨタ自動車やパナソニックなどの大手企業をはじめ現在279社が加盟している。事務所は、東京中央区銀座3丁目。理事長は、西室泰三・東芝相談役(元会長)。

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