2024年 4月 26日 (金)

高齢者の安否確認に「個人情報」の壁 「緊急時対応か」「目的外使用か」両論

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   100歳以上の高齢者で所在が分からない人が明らかになっている問題で、各自治体が続々と実態調査に乗り出している。この調査でハードルになっているのが、個人情報の目的外使用だ。医療保険・介護保険の情報を活用して所在確認を事実上完了する自治体がある一方で、「緊急時だからこそ、手続きはきちんとやりたい」と、個人情報の活用に慎重な自治体もある。このような状況を踏まえ、政府も法改正に前向きな姿勢を示している。

杉並区、理屈「後付け」で緊急調査?

   東京都で最高齢の113歳の女性が行方不明になっている問題では、女性は杉並区に住民登録していた。この女性の所在はいまだに確認されていないが、同区内のそれ以外の100歳以上の人については、8月4日までにほぼ生存を確認した。同日、田中良区長が記者会見で発表したもので、区内の100歳以上の人と10年度中に100歳に達する人を合計した315人について、医療保険や介護保険の利用状況を調べて確認。315人のうち、今回問題になっている113歳の女性を除く2人が、過去2年間に医療保険・介護保険のサービスを利用していないことが判明したものの、(1)1人については、介護保険の申請について相談中(2)もう1人についても家族から「元気に過ごしている」と話を聞き、今週中に区の職員が訪問するアポイントが取れた、という経緯で、事実上安否確認が終了した形だ。あわせて、10年8月1日時点で100歳以上の高齢者252人に対して、9月11日までに直接面談を行う方針だ。

   高知市などでも同様の手法で調査を進めており、おおむね安否の確認が終了した状態だ。

   ここで懸念されるのが、各自治体の個人情報保護条例などで禁じられている「個人情報の目的外使用」との整合性だが、杉並区の高齢者施策課では、

「今回は緊急事態で、調査をやらない訳にはいかない。『高齢者実態調査』の調査結果を利用し、個人情報審議会に事後報告するという形で、手続き面はクリアしている」

などと説明。理屈が「後付け」されたとも取れる形で、「手続き上問題ない」という体裁をつくるのに苦心した様子だ。

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