3年間でM&Aに総額1兆円投じる
キリンビールは2006年から2009年にかけての加藤社長の時代、積極的なM&A(合併・買収)を進めた。国内ではメルシャンとの資本提携や協和発酵との経営統合、海外ではオーストラリア最大の乳製品メーカーのナショナルフーズ(NH),同第2位のデアリーファーマーズ、フィリピン最大の食品メーカーサンミゲル傘下のサンミゲルビールの買収などで、3年間に投じたM&A資金は総額1兆円にのぼる。その一環としてサントリーとの経営統合交渉もあったわけだが、「構想そのものは間違ってなかった」という。
2010年3月にキリンホールディングスの社長職を三宅占二氏に譲ったが、グループ全体の価値を高めるため、グループ内のコミュニケーション強化の音頭取りをするなど、グループ経営による価値創造に汗を流している。最近産業界で流行の社員の英語教育についても「日本人だけの英語教育では意味がない。多様な人材があって初めて国際化が進む」と、人材の国際化の必要を強調していた。