2024年 4月 25日 (木)

高橋洋一の民主党ウォッチ
事業仕分けは単なる参考意見 官僚の高笑い聞こえてくる

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   事業仕分けが民主党政治家の政治ショーであることは、もうみんなに知られてしまった。

   例えば、昨2009年の事業仕分けで、当時一参議院議員にすぎなかった蓮舫氏に対して、

「私の話も聞いてください。一方的にただ質問に答えろというのは心外だ」

とのテレビシーンがあったことを覚えているだろうか。国立女性教育会館の神田道子理事長である。これは、事業仕分けの演出としては失敗だろう。彼女が天下り官僚であれば、それこそ絵になったであろうが、そうではなかったのだ。

「法律に基づかない」弱さ露呈

   昨年の仕分け会場が、国立印刷局の体育館であったことをひやかして、官僚の間で「昔はボコボコにされるときに体育館の裏にこいというのがあったが、今では体育館の中にこいという」との冗談がでていた。叩き役は政治家で、叩かれ役は官僚という図式が出来ていたからだ。

   その仕分けで国立女性教育会館については「大幅に予算を削減する」との判定になった。しかし、5億9000万円とほぼそのまま全額が執行されることが決まり、結局3000万円のカットに終わったのだ。

   そもそも行政刷新会議自体が、法律に基づかず閣議決定によって設置された会議である。官僚はこうした形式を重視し、行動する。こうした「会議」の設置根拠は法律である。法律に基づかない会議は、懇談会などの名称であり、そこで大臣らに好きかって放題のことを言わせておくのは、霞が関の常套手段である。できるだけ長期間に懇談会を開いて、その取りまとめにまた時間をかけて、そのうちに大臣が変わるまでタコツボに入ってじっくり待つというのが官僚の基本戦略だ。

   ただ、行政刷新会議は、マスコミの注目度もあるので、そんなにのんびりとしていられない。そこで、法律上の位置づけをしないで、根拠を閣議決定にするという事実上の格下げを、民主党は昨年の政権発足当初に官僚側から仕組まれて、それにまんまとはまってしまったのだ。

   通例、審議会の根拠は法律であり、しかも、大臣が諮問してそれに答えるという形式になっている。このため、諮問しておきながらその答申を無視できにくい。しかも、審議会のうち特に格の高いものは、政府がその答申を最大限尊重するという規定がある。こうなると、答申どおりにやらないと、政府側に挙証責任が発生するので、ますます答申の拘束力が増す。

   私が小泉政権にいたときには、さらに念を入れて、答申が出たときにはそれを閣議決定までした。もちろん、その場合、政府内だけではなく、与党内プロセスを同時にクリアしておく。ここまで手順を踏んでおくと、答申はほぼそのまま法律案や予算案になり、国会に提出され、与党内同意をすでに得ているので、ほとんど国会を通過できるようになっている。

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