2024年 4月 30日 (火)

iPhone使った宣伝方法が進化 トヨタが「電子絵本」バックアップ

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   国内でスマートフォン(多機能携帯電話)が急速に普及している。米アップルの「アイフォーン(iPhone)」に加え、米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載した機種も続々と登場し始めた。

   スマートフォン人気の高まりで、販促やキャンペーンの宣伝や企業広告に利用しようとの動きも活発になってきた。独自のアプリケーションをつくったり、最近では「電子絵本」を開発したりといった動きも出ている。

「エスティマ」の20周年記念で協賛

エスティマ補助金版の「PhoneBook」
エスティマ補助金版の「PhoneBook」

   アイフォーンを使った販促、ピーアールとしては、専用アプリを開発してユーザーに無料提供するのがオーソドックスと言えそうだが、その「進化版」も見られるようになった。

   中でもユニークなのが、「電子絵本」の試みだ。モバイル表現研究所が発売する「フォーンブック(PhoneBook)」というもので、紙でつくられた「絵本」の見開き中央部分がアイフォーンのディスプレーの大きさにくりぬかれている。そこにアイフォーンをセットして読む仕掛けだ。2010年12月2日に発売された第2弾では、子ども向けにさまざまな職業を紹介する内容で、紙の絵本部分は見開きページごとに「美容師」「電車の運転士」「アナウンサー」などのイラストが描かれており、それぞれのページの物語と、アイフォーンの画面に表示されるインタラクティブな画面を連携させて読み進めていく。子ども向けの職業体験アトラクションで人気の「キッザニア」の携帯版とでもいうものだ。ちなみにアプリは無料でダウンロードできる。

   デジタルコンテンツならではの特徴も多く、例えば「電車の運転士編」では、本を傾けたり起こしたりすると、それに応じて画面上で「運転中」の電車が止まったり動いたりする仕掛けもある。紙の部分が比較的大きくしっかりとしたつくりなので、親子二人で手に持って読みやすい。

   実はフォーンブックには、トヨタ自動車が協力している。同社が販売するミニバン「エスティマ」の20周年を記念して、トヨタが補助金という形で協賛、購入代金の一部を負担しているのだ。通常料金より1000円安い「エスティマ補助金版」を販売。絵本の右上にはエスティマの写真とともに「補助金版」と明記されている。さらにエスティマ自体の広告や、親子で楽しめる体験型施設の紹介リーフレットも付けている。これにより、「子どもの知的好奇心を応援する」という企業姿勢をアピールしているようだ。

AR使ったプロモーションも活発に

   専用アプリでは、店舗の検索が容易にできたり、会員登録した人を対象に商品の割引クーポンを提供したりといった利用法がよく見られる。また東急ハンズの場合、バレンタインデーのキャンペーンに特別アプリを提供する。内容は、手作りチョコレートやお菓子のレシピ集。いずれも「東急ハンズで購入できる素材で、簡単につくれる」と宣伝している。キャンペーンは特設ウェブサイトの開設や、ツイッターを使って「チョコに添えたいメッセージ」をつぶやいてもらうなど、アイフォーンアプリ以外のツールも使っているようだ。

   AR(拡張現実)を使ったプロモーションも盛んだ。ARとは、ディスプレーを通して対象物を見たときに、その対象物に文字情報などのデータを重ねて表示させる技術。ARを使ったアプリに「セカイカメラ」があるが、これを起動させてからアイフォーンをかざして景色を眺めると、そこに映し出された通りにある店の名前や、建物の詳細に関する文字情報が画面上に浮かび上がる。ユーザーは、「このレストランおいしかった」などと特定の店の感想を書き込むことや、画像や音声をアップすることができるので、情報が蓄積されていく。

   セカイカメラを使ったキャンペーンでは、2010年10月2~11日に都内で行われたアニメのイベントがある。会場近辺でセカイカメラを起動すると、人気キャラクター「チェブラーシカ」の3Dイラストや、関連商品を販売する店舗情報が画面上に表示されるよう設定した。

   ユニークな方法での「アイフォーン広告術」は、これからも次々と現れそうだ。

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