2024年 4月 19日 (金)

新聞大手、部数減止まらず 朝日「800万部割れ」続く

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   「構造不況」と呼ばれる新聞業界でも、景気が回復につれて再び黒字を計上する社も出始めた。だが、減少が止まらないのが発行部数だ。大手5社の中でも、「2弱」と呼ばれる毎日新聞・産経新聞の2社が比較的減少幅が大きく、朝日新聞も「800万部割れ」を続けている。

   08年の「リーマンショック」以来、販売部数の落ち込みが指摘されているが、まだ、この傾向に歯止めはかかっていないようだ。11年2月上旬に発表された日本ABC協会の「新聞発行社レポート」(10年7月~12月)を見ると、全国紙5紙は、軒並み部数を減らしている。だが、減少幅には、各紙でばらつきがある。

「過剰予備紙」の整理が原因

   比較的大きく部数を落としているのが、「2弱」とも言われる毎日・産経で、毎日が前年同期比6.1%減の350万9021部、産経が同3.1%減の161万5212部だ。10年3月の有料電子版が脚光を浴びた日本経済新聞は、同1.1%減の301万5485部。部数にして3万5000部ほど減少している。

   なお、電子版には、電子版のみを月額4000円支払って購読するプランと、紙媒体の購読料に月1000円を追加する併読プランがあるが、この両方を合計した有料読者数は10年12月には、10万人を突破している。この3万5000人と10万人という数字には「紙媒体をやめて電子版に切り換えた」という層が、ある程度含まれているものとみられる。

   「2強」と言われる朝日・読売も、決して好調な訳ではない。朝日新聞の部数は、10年上半期に「800万部割れ」しており、朝日新聞社の秋山耿太郎社長は11年1月4日に行われた社内向けの新年祝賀会で、その背景を解説している。秋山社長は、

「これまで、『800万部』と『1000万部』の旗印を掲げて突っ張りあってきた(編注: 朝日・読売)両社が、ここへ来て、違う道を歩み出した」

として、部数減少の理由として、大阪本社と西部本社管内の販売店が抱える過剰予備紙を整理したことを挙げた。この「過剰予備紙」は、実際には配られない新聞が大量に販売店に押しつけられているとされる、いわゆる「押し紙」だとの指摘も根強い(新聞各社は、この「押し紙」の存在を否定)。11年以降、他本社でも同様の施策を行う方針を掲げていることから、さらに部数が減ることは確実だ。

読売「1000万部の大台」を死守

   実際、10年下半期の朝日新聞の部数は前年同期比1.4%減の790万3473部で微減を続けており、2期連続の「800万部割れ」だ。

   対する読売新聞の部数は、逆に0.02%増の1002万0584部で、かろうじて1000万部の大台を死守している形だ。両社とも販売店経由の部数は微減しているもの、駅の売店などで販売される「即売」のルートでは急増している。朝日新聞の即売部数は56.6%増の4万9661部で、読売新聞は同33.7%増の13万3721部。この増加分が、「1000万」というラインを下支えしている見方もある。

   読売新聞が「1000万部」にこだわる背景についても、秋山社長は

「『1000万部を切れば、ズルズルと後退しかねない。ここが我慢のしどころ』と考えているのでは」

と解説している。

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