2022年 5月 16日 (月)

【フクシマ 苦悩の地はいま】 どぶろく起業家千栄子さん 「がんだって笑い飛ばしてきたけど…」

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   福島県内のどぶろく特区第1号は、「計画的避難区域」で揺れる飯舘村だ。「どぶちぇ」という。村内で農家レストラン茶屋を営む佐々木千栄子さん(65)が発案し、どぶろく作りに使う米の栽培から手がけ、販売もしている。しかし、いま存続出来るかどうかの瀬戸際に追い詰められている。

   心配するファンから、原発災害後も店の予約の問い合わせがきている。が、「お断りしている」。どぶろくは2010年にとれた米を使い東日本大震災前に仕込んだもの。今回の原発災害とは関係ない。なので、飛び込みで客が来た場合は販売しているが、茶屋を開き、どぶろく販売もいつも通りに行なう元気は出ないそうだ。「元気者」千栄子さんが「元気が出ない」とは異常事態だ。

反対だった役場担当者に何度も通いつめて説得

自身が仕込んだどぶろく「どぶちぇ」を手にする佐々木千栄子さん
自身が仕込んだどぶろく「どぶちぇ」を手にする佐々木千栄子さん

   村起こしのため特区許可の取得にも奔走した。「元気者」として知られる千栄子さんだが、今度の放射能には参った。「これまでどんな苦労も、夫婦2人のがんだって笑い飛ばしてきたけど…」と肩を落とす。2011年4月18日、自身の店「農家レストラン 気まぐれ茶屋 ちえこ」のいろりに腰かけながら語った。

   自身が酒好きというわけではない。6、7年前、飯舘村が合併論議の末、合併せずに独自路線を進むことが決まったとき、自分も何か村起こしの役に立てないかと思い立った。以前使っていた葉タバコ乾燥用の合掌造りの倉庫を改造し、茶屋を始めて数年が経っていた。

   報道で岩手のどぶろく特区のことを知り、「これは村起こしに役に立つ」と、早速行動開始。特区申請は個人ではなく村が行なう必要があった。当初は反対だった役場担当者に何度も通いつめて説得した。特区になれば、酒税法上決められた量以下の少ない量でも生産が認められる。「素人」でも特徴ある製品作りが可能になる。どぶろくの造り方は、福島県の技術講習会で勉強した。

   2005年に特区として認定され、06年に初めてのどぶろくを仕込み、販売を始めた。「どぶちぇ」と名付けた。甘酸っぱい香りの「我ながら自信作」だった。「どぶちぇ」は、「どぶろく」と千栄子さんの「ちえこ」をかけたものと思う人も少なくないようだが、「何でもロシア語で『みんなで楽しくお酒を飲んで盛り上がる』という意味のドブチェという言葉があるんだそうです」。役場担当者のひとりが教えてくれたという。

   特区取得構想に反対した役場担当者だが、次第にのってきて、後半には申請書類の山にうずもれてくじけそうになった千栄子さんを励ますようになった。

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