2024年 4月 25日 (木)

放射線計測器「在庫足りず」 メーカーに問い合わせ続々

   放射線量を計測できる線量計やガイガーカウンターの在庫が不足している。メーカーは増産を急いでいるが、通販サイトでも在庫切れが目立ち、入荷するとすぐに問い合わせがくる状況だという。

   鈴木寛文・文部科学副大臣が2011年4月21日、福島県教育委員会に対して簡易型の携帯線量計120個を送付したことを明らかにした。記者会見では線量計は一般の人でも買えるとしたうえで、「ただ(商品は)品薄。あまり買わないでください。極力これは福島に使いたいので」などと呼びかけた。

商品を渡せるのは6月

   実際はどうなのか。分析・計測機器メーカーの堀場製作所(京都市)では、放射線に含まれる微弱なγ線を測定できる手のひらサイズの測定器「ラディ」(12万5000円)を販売している。この商品、もともとは中学校の理科教育で利用される教材を想定していたものだったが、原発事故を受けて、4月26日までに1000台の注文が寄せられた。前の年は年間100台が売れている。

   従来は主力商品でないが問い合わせが多かったことから、現在は休日を返上し、週に100台ペースで増産している。それでも、在庫はすぐにはけてしまう状況だ。いま購入したいと思っても6月までは商品を渡せない。

「放射線は目に見えず匂いもないので、わからないということを不安がる人が多い。注文者の中には事業所で業務を再開する際、自社(の放射線量)が心配だという人がいた。数値をみることで安心し納得できるのでは。個人は比較的少なく、法人や団体が購入していくケースが多い」

   また、医療向け機器を販売している日立アロカメディカル(東京都三鷹市)のwebサイトでは「放射線測定器に関してホームページへのお問い合わせが殺到しており、対応に時間がかかっています」という案内が出ている。同社では、個人向けの被ばく線量計(マイドーズミニシリーズ)などを販売している。

   担当者によると、問い合わせ内容には「どんな機械なのか」「在庫はあるのか」「(発表されている)数値は大丈夫なのか」など多岐に及ぶ。放射線測定器は、例年なら放射性物質を扱う、原発関係者や病院を中心に数千台が売れる。だが、今年に限っては、民間企業や個人からの購入希望者が多く、在庫はすべてはけてしまった。「材料の手配など準備が整い次第、増産していく」と担当者は話している。

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