2018年 7月 23日 (月)

8月から上限25倍と規制強化  FX業界生き残り策に躍起

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   FX(外国為替証拠金)取引に対して、2011年8月1日から規制が強化されるため、ネット証券などの仲介各社はサービス競争に躍起だ。規制を嫌って取引高が減少することが懸念されるためだ。ただ、「ミセス・ワタナベ」と総称される日本の個人投資家の意欲は強いと見られるほか、来年からは税制の後押しもあり、8月以降のFX取引の推移が注目されている。

   FXは少ない元手(証拠金)で多額の為替取引ができることが、投資家には魅力だ。現行の証拠金倍率の上限である50倍なら、2万円の証拠金で100万円の取引ができる計算。ただ、為替取引は「上がるか下がるか」が対象でわかりやすいこともあって近年、安易に手を出して巨額損失を抱えるケースが続出したことから、金融庁は規制に乗り出した。

新規口座開設に5000円をキャッシュバック

   規制は2010年8月と11年8月の2段階で実施。かつては100倍を超える証拠金倍率も珍しくなかったが、10年8月から上限が50倍となり、今年8月からは25倍に引き下げられる。

   業界が心配するのが、メシのタネである取引高の減少。実際、金融先物取引業協会のまとめによると、昨年8月の規制導入時には店頭FXの取引高が前月の162兆円から109兆円に3割以上も急減。その後徐々に回復してはいるものの、今年8月の規制強化でも減少が見込まれている。

   このため、業界各社は顧客開拓などに向けたサービスを展開する。

   例えば、セントラル短資FXは、9月30日まで、マネーパートナーズは8月末までに新規に口座を開設するとそれぞれ5000円をキャッシュバックする。これに対抗するように外為どっとコムは、9月3日までの新規口座開設者に対し、入金額などの条件はあるが、6000円をキャッシュバックする。

   一方、マネックスFXは、倍率ごとに必要だった口座を一つに集約できるサービスを8月から提供。「豪ドル・米ドル」間の取引も9月に追加し、利便性などをアピールする。

4月以降の取引高は震災前を上回る水準

   また、FXプライムは初心者女性を対象に有名店のスイーツなどを用意したセミナーを開催するなど、裾野の拡大に励んでいる。

   もっとも、低金利、株安が続く国内にあって「ミセス・ワタナベ」の為替取引への意欲は強い。3月中旬、東日本大震災直後の円急騰で多額の損失が出た投資家も多かったと見られるが、4月以降の取引高は震災前の1~2月を上回る水準で推移している。

   また、来年からは店頭FX取引の課税が、他の所得と合算する総合課税(税率最大50%)から、申告分離方式(税率20%)となる。新たに損失額を3年間繰り越せるなど、高所得者には実質減税の可能性があり、顧客つなぎとめにプラスに働きそうだ。

   もっとも、証拠金倍率が下がっても、税制が優遇されても、「空売り」で3倍程度の証拠金にとどまる株などに比べて、ハイリスクは変わらない。当然、慎重さが必要だ。

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