2024年 4月 25日 (木)

双方向の支援を模索 被災者も会議の場に【岩手・花巻】

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絵葉書づくりに精を出す被災者の人たち=花巻市南万丁目の自治会館で
絵葉書づくりに精を出す被災者の人たち=花巻市南万丁目の自治会館で

(ゆいっこ花巻;増子義久)

   「花って、やっぱり心が和むよねえ」―26日、花巻市内の公民館に明るい笑い声が響いた。乾燥した押し花で模様を施す絵葉書づくり。パンジーやアジサイ、ミヤコワスレ…。野に咲く野草が葉書の上で次々と息を吹き返えした。傍らでは保温用の"なべ帽子"の制作に打ち込む人も…。


   「アラセブ(70歳)の助っ人」を自称する花巻市内の70歳前後の女性たちが東日本大震災で故郷を追われた被災者の支援に立ち上がった。花巻市内の雇用促進住宅や民間借り上げ住宅などに住む沿岸からの被災者はざっと600人にのぼる。「みんな孤独な生活を強いられている。草の根の支援を通じて、お互いの絆(きずな)を深めることができれば…」と「ゆいっこ花巻」の主婦、藤原幸子さん(72)が呼びかけた。


   この日は元看護婦の江川サツミさん(68)が日頃から摘み集めた野草を持って駆けつけた。「被災者の皆さんは着のみ着のままで投げ出され、今また故郷を遠く離れた異郷の地で寂しい日々を送っている。そんな気持ちを少しでも慰めることができれば」と趣味で覚えた絵葉書づくりを12人の参加者に伝授した。


   「毎日、テレビの前でボ~ッと過ごす時間が多い。そうすると自然と気が滅入ってしまう。今日は5枚も作ってしまった。さっそく、この絵ハガキで故郷の知人に近況を知らせなくては…」。大槌町出身の小林敏子さん(69)は明るい表情でこう話し、「男の方が時間を持て余している。男の料理教室なんかもいいかもね。花巻にお世話になっている以上、被災者の側でも積極的にイベントを企画したい」と続けた。


   「ゆいっこ花巻」では「転入被災者」と「仮設入居者」を支援の車の両輪と位置付けており、今後は支援会議の場に沿岸被災者の人たちも加わってもらい、双方向的な支援のあり方を模索することにしている。



ゆいっこ
ゆいっこネットワークは民間有志による復興支援団体です。被災地の方を受け入れる内陸部の後方支援グループとして、救援物資提供やボランティア団体のコーディネート、内陸避難者の方のフォロー、被災地でのボランティア活動、復興会議の支援など、行政を補完する役割を担っております。
ゆいっこは、「花巻」「盛岡」「北上」「横浜」「大槌」の各拠点が独立した団体として運営しておりますが、各拠点の連携はネットワークとして活用しております。
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