2024年 5月 5日 (日)

日本の証券会社は生き残れるのか 月刊誌で再編が取り沙汰される

メガバンク系の実情はもっと厳しい

   個人部門がもともとあまり強くないメガバンク系の実情はもっと厳しく、みずほ証券の最終赤字は267億円(前年同期は63億円の最終黒字)。三菱UFJ証券ホールディングスも、提携先のシンガポールの証券会社の株式売却益 などで163億円 の最終黒字に持ち込んだが、傘下の事業会社である「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」単体は31億円 の最終赤字(前年同期も91億円 の最終赤字)だった。

   日本の証券業界は法人向け事業需要が縮小するなか、「オーバー・インベストメント・バンキング(過剰な投資銀行)」(大和証券幹部)で、株式や社債発行を引き受ける法人部門が厳しい。米調査会社トムソン・ロイターによると、4~9月に日本企業が投資銀行業務に支払った手数料は前年同期から35%も 減った。このため、各社ともリストラせざるを得ないわけだ。

   ただ、世界的な市況低迷は個人投資家の意欲もそいでおり、個人部門も安泰ではなくなってきている。4~6月に比べ7~9月の個人部門は、野村が税引き前利益でほぼ半減したほか、大和は経常利益で34%減 とそれぞれ急減した。再成長に向けた出口が見えないなか、月刊誌などで再編観測が取り沙汰されている。

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