大学の先生が学生にレポートの提出を迫る文章が、ネット上で話題を呼んでいる。締め切りを過ぎても、様々な理由を付けてレポートを受理してもらおうとする学生に対して、先生は「午後12:00は『グリニッジ標準時』ではなく『日本標準時』です。これは常識以前の問題です」なとど反論しながらも少しずつ譲歩してしまう、という内容だ。実は10年近く前に掲示板に投稿された文章なのだが、ここ数日で2ちゃんねるなどで紹介され、急に反響が広がっている。文章は「理学部物理学教室浅川」さんが書いた?文章は、「理学部物理学教室浅川」と名乗る人物が書いたとされ、最初の文章は5月15日付け。「『科学哲学第二』のレポートは、5/31までに1号館1階の浅川のレターボックスに提出すること。このレポートを提出しない学生には、単位は出ません」と、締め切りの厳守を求めている。締め切りを過ぎた6月3日付けでは、「締切を過ぎてもまだ私のレターボックスに『科学哲学第二』のレポートを入れる者が居ますが、5/31の午後5:00以降に投函されたレポートは全て破棄しました」と、締め切りを過ぎたレポートは受け取らないことを宣言。だが、締め切りの解釈について反論した学生がいるらしく、先生はさらに反論を展開した。「『5/31まで』と書いたら『5/31の午後5:00まで』の意味です。こんなことは社会常識です」「他の教官が午後12:00まで受けつけていても、関係ありません。反例を幾つ挙げようと、定量的に述べなければ意味がありません」だが、先生は、「なぜその熱意を使い、もっと早くにレポートを作成しないのか理解に苦しみますが、とりあえず午後12:00まで受けつける教官が過半数であることは理解しました」と根負け。締め切りを「6/15の午後12:00」に延長することになった。「グリニッジ時間を求めるなど言語道断です」それでも締め切りは守られなかったようで、先生は「いいかげんにしなさい。午後12:00は『グリニッジ標準時』ではなく『日本標準時』です。これは常識以前の問題です。普段は日本時間で生活しているくせに、レポート提出時だけグリニッジ時間を求めるなど言語道断です」と激怒。それでも、「信じ難いことですが、『科学哲学第二』を受講する学生の過半数がグリニッジ標準時で生活していることが分かりました。夜型にも程があるとは思いますが、とりあえずレポートの提出は6/30の午後12:00GMTまで待ちます」と締め切りは再び延長され、レポートがなかなか集まらない様子が延々と描かれている。「嘘共演」と呼ばれるウェブサイトに投稿この文章を書いたとされる「浅川」という人物として、ネット上では、旧7帝大のひとつに勤務する教員が取りざたされている。だが、文章が投稿された03年の時点では、この浅川さんは別の旧7帝大で日本学術振興会(学振)の特別研究員を務めており、レポート課題を出した教員として文章を投稿したとは考えにくい。「読み人知らず」といったところだ。03年に文章が投稿されたのは、「嘘共演」と呼ばれるウェブサイト。サイトの紹介文によると、「世界の嘘つきたちが集い、1週間程度の期間中に議長の提示したテーマに沿った嘘を創作し、競い合うイベント」なのだという。投稿から10年近く経過して、ネット上には「本当になんでその情熱をレポート作成に向けれないのか不思議になるなwwww」「人気の先生なんだろうなぁ。生協の白川さんみたいにたんたんと正論書いてるだけなのに面白いw」といった反響が広がっており、文章が転載されたまとめサイトは、1000回近くツイートされている。
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