2024年 4月 27日 (土)

フジの昼ドラで流れた「落とし穴死亡事故」 「1年前に起きた事故そのまま」と批判

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脚本では通常ディテールまで踏み込まない

   ドラマの脚本を書いたのは、中島丈博氏。NHKの大河ドラマのほか、昼ドラでも「真珠夫人」「牡丹と薔薇」とヒット作品を手がけてきた大御所だ。「赤い糸の女」もドロドロした強烈な人間模様が評判で、インターネット掲示板では「面白い」とファンがついているようだ。ただし「落とし穴」のシーンについては、実際に類似の事故があったことから「不謹慎」「絶対抗議くるだろ」と批判的な意見が出ていた。

   落とし穴の設定は、最初から想定されていたのだろうか。J-CASTニュースが上智大学文学部新聞学科の碓井広義教授(メディア論)に聞くと、「シナリオになければ(落とし穴のシーンは)入らなかったでしょう」と話す。だが脚本段階では通常、「砂浜で穴掘って仕掛ける」程度の大まかな描き方で、ディテールまでは踏み込まないようだ。

   それでも、仮にシナリオ上「1年前の実際の事故」がにおわされていたとしたら、制作側がチェック機能を働かせるべきだと碓井教授。「番組制作の全責任を負うプロデューサーが脚本を読んだ段階で『問題あり』と感じたら、脚本家に『別の表現方法はないか』と相談する必要があると思います」。

   落とし穴の細かな設定は制作サイドが考えた可能性もある。だが撮影の現場にプロデューサーが立ち会っていたなら、事故をほうふつとさせるような場面にならないように変更することも可能だったはず、と碓井教授。

   1年前の死亡事故を制作側が「取り入れた」かどうかは分からない。表現を規制しすぎては、人が死ぬ場面が登場するようなドラマの制作は難しくなる。それを踏まえたうえで碓井教授は、今回の一件について「視聴者に『1年前の事故そのままじゃないか』と想像させるようでは、フィクションにもかかわらず実際の出来事をまねたとみられても仕方がない。その点で表現力不足」と指摘する。

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