2024年 3月 29日 (金)

小説とノンフィクション売れ行き低迷 出版不況深刻化、今年はミリオンセラーなし

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   情報サービス会社「オリコン」のランキングによると、書籍売り上げの調査を開始した2008年以来初めて、2012年単年での総合部門のミリオンセラーがゼロになった。

   2012年12月2日発表された「年間"本"ランキング」の総合部門1位は「骨盤枕」付きの「寝るだけ! 骨盤枕ダイエット」で売り上げ部数は約79万2000部。ダイエット本や付録つき書籍として初の年間トップとなった。

   11年は「謎解きはディナーのあとで」(東川篤哉)「心を整える。」(長谷部誠)を含む7作が100万部超えを記録しただけに、出版関係者は「書籍を取り巻く状況は厳しさを増すばかり」と話している。

1500円前後の単行本が大苦戦

   「単年でのミリオンセラーが1冊もない」という12年の状況について、社団法人・出版科学研究所の書籍担当者は「小説とノンフィクションの売れ行きが低迷し、中でも1500円くらいの価格設定の単行本が厳しくなっている。不況の影響もあって、読者の考えが『小説は文庫で、ノンフィクションは新書で読む』というように変わってきています」と話す。

   続けて「読者の中には、書店で単行本を買わずに新古書店で購入したり、図書館で借りたりという傾向も進んでいるはず。数年前なら100万部に達していたであろう話題の小説も、今年は40万部くらいで頭打ちになり、コアなファンから一般の読者へと遠心力が働きにくくなっています」と指摘した。

   東京都内の出版社の書籍編集者もほぼ同様の意見だ。「不況時は実用書が強い-というのを今年のランキングは裏付けてますが、それにしてもベスト10入りの小説がわずか1冊とは…。出版社は今どこも1400~1500円の単行本で苦戦を続けており、力を入れる対象を新書や文庫にシフトさせる社もあるようです」。

   出版科学研究所によると、12年中の書籍の出版点数は前年並みの約8万点。だが、21世紀に入ってからの書籍の売り上げは05年から11年まで7年連続で減り続けており、12年も前年割れは確実な情勢という。

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