2018年 8月 19日 (日)

富山県警の「遅すぎる」殺害犯行声明文押収 なぜ週刊文春との交渉に2年超もかかってしまったのか

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   富山市で2010年4月に会社役員夫婦を殺害したとして逮捕された富山県警警部補の加野猛容疑者(54)が、事件直後に「犯行声明文」を収めたCD-Rを週刊文春に郵送したうえ、「手記」の買い取りを求めていたことが2013年1月9日明らかになった。

   同誌が9日発売の新春特別号(1月17日号)で報じた。このCD-Rの解析によって事件は急展開を迎え警部補逮捕に結びついたものの、富山県警は事件発生の2か月後にはCD-Rの存在を知りながら押収までに2年以上を費やしていた。

「夫婦殺害放火事件の犯人は私です」

   「週刊文春編集部様 突然のたよりまことに申し訳ありません」で始まるCD-Rの文書を要約すると、次のような内容になる。

   「殺伐とした事件が多い中、私も2人の人を殺(あや)めてしまった者でございます。4月20日の富山市内の資産家夫婦殺害放火事件の犯人は私です。格差社会の歪みにはまり、憎悪を増幅させてしまった経緯を手記として書き残したいと思います。私が犯人である証拠は同封の遺体の位置を記した略図を富山警察の捜査本部に見せていただければわかっていただけると思います」

   「手記には私に結びつくようなことは一切書きませんが、殺めるに至った経緯については十分な内容だと思います。私はやるべきことをすべてやり遂げたあと、自首するつもりです。(間違いなく死刑となるでしょう)。私の生活は困窮しております。私のやり遂げなければならないことにもお金がかかります。ですから、お買い上げいただくという形をとらせてもらえないでしょうか」

   「モラルに反するということでお買い上げできないことも想定して、これと同じものを週刊現代、週刊ポストにも送りました。金額を吊り上げるものではなく、あくまで希望するものに近い雑誌に送らせてもらいたいと思っています。馬鹿なことをしでかした馬鹿な人間の遺族感情を逆なでする行為ではありますが、歪んでしまったいきさつをどうか知ってもらいたく、このような愚挙に出た次第です」

   週刊ポストと週刊現代にも「同じものを送りました」という記述について、両編集部は取材に対し「そのようなものは確認していない」「おそらく送られてきていない」と話している。

   声明文にはこのほか、自らが被害者の男性と同じ在日韓国人であるかのような虚偽の記述に加え、「手記」の買い取り金額の示し方についても書かれていた。

   文春の記事によると、犯行声明を収めた1枚のCD-Rと遺体の位置を記した略図は10年6月、編集部に届いた。文春側は真偽を確かめるため、富山県警に略図と犯行声明文のコピーを示したところ、その反応は「(略図には)犯人、および警察、消防の一部しか知りえないことが書いてある」。文春は犯人からの次の接触を待ったが、その後は逮捕まで何の連絡もなかった。手記の買い取りについて金額提示はしなかったという。

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