2024年 4月 19日 (金)

「原発回帰」安倍政権 再稼働の行方(9・終)
最初は伊方、続いて玄海や川内が有力?

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   国内に50基ある原発のうち、関西電力大飯原発3・4号機(福井県おおい町)をのぞく48基は停止中だ。火力発電の代替でコスト増を嫌う電力会社は早期の再稼働を目指すが、そのためには2013年7月にも法制化される見通しの新安全基準をクリアすることが不可欠だ。

   新基準の骨子(案)はすでに13年2月に公表されている。電力各社が公表している安全対策の進み具合と照らし合わせてみると、現時点でこれを満たす原発は皆無。だが、一部の原発には、一度再稼働をしてから必要な設備を設置することが認められる「抜け道」も用意されている。最初に再稼働にこぎ着けそうなのは、どの原発か。

13年9月に大飯が定検入り、当分「原発ゼロ」続く?

東京電力柏崎刈羽原発ではフィルターベントの基礎部分の工事が始まっている
東京電力柏崎刈羽原発ではフィルターベントの基礎部分の工事が始まっている

   原子力規制委員会が13年3月19日、新基準の施行に向けて公表した「基本方針案」よると、大飯原発の3、4号機は、7月の新基準施行後も稼働を認められる。ただ、3、4号機は13年9月に定期検査(定検)入りする予定で、約2か月にわたって新基準に適合しない状態で稼働することになる。もちろん、その後の再稼働のためには新基準を満たす必要があるが、基準で求められている免震重要棟の設置は早くても2015年度。当分再稼働は不可能で、再び「原発ゼロ」の状態が続く可能性もある。

   残る48基についてはどうか。基準の中で最もハードルが高いとみられているのが、事故が起きた際に格納容器内の圧力を下げるためのフィルター付きベント(排気)装置だ。これが唯一着工されているのが東京電力の柏崎刈羽原発だが、配管の耐震設計を見直す必要があり、工事に着手できているのは基礎部分だけ。本体部分の工事は始まっておらず、完成のめども立っていない。

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