維新の会は「賞味期限切れ」? 支持率低空飛行、ネットの関心も低い

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   かつては第三極の「台風の目」だった日本維新の会に対し、もう「賞味期限切れだ」との声がささやかれている。

   橋下徹代表代行が国会議員団に激怒し、石原慎太郎代表代行が入院するといった大きなニュースがあったとしても、注目されるのはその瞬間だけ。支持率も極めて低空飛行が続いている。

新聞世論調査では自民以外は「どんぐりの背比べ」

   読売新聞が3月15日から17日にかけて行った世論調査の結果によると、政党別支持率は自民党が45%で一人勝ちと言って良い状況だ。それ以外の党はと言うと、民主党5%、日本維新の会2%、公明党4%、みんなの党2%、共産党2%、生活の党0%、社民党1%、みどりの風0%といった具合で、「どんぐりの背比べ」。維新の会の存在感は、すっかり失われている。

   最近は週刊誌などのメディア露出も減っており、仮に掲載されたとしても、「『賞味期限切れ』に焦る橋下市長」といった、勢いの衰えを指摘するものが多い。

   この傾向は、ネット上での注目度でも顕著だ。グーグルは、期間ごとに区切って、特定のキーワードの検索回数の推移をグラフで表示する機能がある。「検索する=注目している」ことだとも言えるので、維新の会に関する検索回数の変化を調べれば、注目度の変化がある程度分かる。

この1か月で維新は検索数で自民・民主1度も上回れず

   最初に、党名別に検索された回数の変化を調べた。ここ1か月で見ると、実は2月25日に「民主党」と検索された回数が最も多い。この日は、鳩山由紀夫元首相が離党表明した日だ。このときに「民主」と検索された数を100とすると、自民党と民主党は順位を何回か入れ替わりながら、80~60の水準を保っている。政党支持率と比べれば、民主党は意外に健闘している。だが、維新の会は、一番多いときでも3月15日の47。この日は、橋下氏が自民党の石原宏高衆院議員=東京3区=に浮上した公職選挙法違反を追及する構えを見せたことが報じられている。橋下氏が国会議員団に激怒して「維新やめたっていい」と発言した2月28日ですら45にとどまっており、この1か月間、維新の検索数が自民と民主を上回ることは一度もなかった。

   小沢一郎氏率いる「生活の党」に至っては「検索回数が十分でないためチャートに表示されていません」と画面に表示され、測定不能な状態だ。

   検索の範囲を3か月に広げてみても、維新が民主・自民を上回ったのは石原氏と橋下氏の「共同代表」体制が始動した1月19日だけだった。

民主・海江田代表は「測定不能」

   ただし、指導者に対する注目は、若干傾向が異なるようだ。ここ1か月、安倍首相がコンスタントに高い関心を保っているのに対して、民主党の海江田万里代表は測定不能。維新の会の共同代表2人については、検索数が安倍首相を上回る場面が何度かあった。橋下氏は国会議員団との対立があった2月28日と、古巣の「行列の出来る法律相談事務所」(日本テレビ)に5年ぶりに出演した3月10日、進学先の市立小中学校を選べる「学校選択制」の導入が難航していることが伝えられた3月19日だ。

   石原氏の検索数が安倍首相を上回ったのは、石原氏の入院が報じられた3月2日、面会謝絶が報じられた3月6日の2回だった。

   だが、これらの注目度が上がった場面は、「行列」を除けば、いずれも悪いニュース。検索数が上がったからといって、決して好感度が上がっている訳ではない。

   石原氏は3月22日の衆院本会議には出席予定だったが、結局は欠席。3月30日の党大会には出席する見通しだという。このあたりの動向をめぐって維新の会への注目度が一時的に高まる可能性はあるが、補正予算案に賛成するなど「与党にすり寄っている」との指摘も手伝って、いつ政策面で注目されるようになるかは明らかではない。

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