2024年 4月 20日 (土)

韓国に科せられるペナルティーは何か W杯予選で韓国側がイラン選手を「殴打」

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   2014年のサッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会に向けて、アジアでは日本に続いて豪州、イラン、韓国が出場権を手にした。

   イランと韓国は予選突破をかけた直接対決とあって、対戦前から両監督が舌戦を繰り広げた。試合はイランが制したが、終了後に韓国ベンチを挑発気味に駆け寄ったイランの選手に対して、韓国側のスタッフと見られる人物が殴ったように映る動画がインターネット上を賑わせている。

「FIFAはフェアプレーに反する行為に厳しい」

FIFAの公式ウェブサイトで、イランの勝利が大きく掲載された
FIFAの公式ウェブサイトで、イランの勝利が大きく掲載された

   「事件」は試合終了後に起きた。2013年6月18日のW杯アジア最終予選で、イランが1-0で韓国を下した。自力でW杯出場を決め、歓喜に沸くイランの選手やスタッフはピッチ上で国旗を掲げ、韓国代表チームやスタンドの韓国ファンに誇示するかのように走り回る。一部は韓国ベンチに迫り、黒いユニホーム姿のイランの選手が急接近すると韓国側スタッフと見られる男性が左腕で押し返す。その勢いでふらついたイラン選手に、別の韓国人男性が左手で顔面をたたいたように見えた。

   その後選手は、審判と思われる男性を呼び寄せて何やら訴えているようだ。味方選手も近づく。一方の韓国側スタッフも「来るなら来い」と言わんばかりの様子だ。両者はそのまま離れ、大きなもめごとには発展しなかった。

   ネット上に出回っている映像がやや不鮮明ではあるが、試合後とはいえもし相手選手を殴ったとなれば問題ではないか。試合中に選手同士が小競り合いという場面は見かけるが、プレーを離れた時間、場所での「暴力行為」となるとあまり例がなさそうだ。

   仮に本当に殴打したなら、国際サッカー連盟(FIFA)はそのままにしておかないだろうと「フットボールレフェリージャーナル」を運営するサッカージャーナリスト、石井紘人氏は指摘する。「FIFAはフェアプレーの精神に反する行為に厳しくなっています。殴っていたとすれば、何かしらのペナルティーが科せられる可能性は高いでしょう」。

   では、どのような処分があり得るか。石井氏はひとつの例として「次回、韓国の主催試合が『中立地』で実施されるかもしれません」と話す。思い出すのが2006年のW杯ドイツ大会のアジア最終予選だ。今回のケースとは違うが、北朝鮮代表がホームゲームの際、サポーターが暴徒化して客席からモノをピッチに投げ込んだり、相手国選手を取り囲んだりと危険にさらした。その「罰」として、次のホーム開催権利がはく奪され、該当試合だった対日本戦はタイ・バンコクでの無観客試合が命じられたのだ。

口火を切ったのは韓国監督「イランにひどい待遇受けた」

   韓国側にも言い分はあるようだ。実は試合終了直後、イランチームの監督が韓国ベンチに向かって腕を掲げ、挑発するかのようなポーズをとっていたようなのだ。そして、これ見よがしの「ウイニングラン」で勝利を誇示し続けた。対戦相手に敬意を払わないのはスポーツマン精神とは言えず、あまりほめられた行為ではない。とはいえ、これに「暴力」で応戦したところで許されるはずはない。

   両国は対戦前からピリピリしていた。口火を切ったのは韓国の崔康煕監督。2012年10月にイランのホームで行われた試合で「ひどい待遇を受けた」と発言したのだ。入国手続きが遅れ、現地での練習場の環境も劣悪だったと憤る。韓国の主要紙「中央日報」電子版(日本語)も6月14日付で大きく報じ、韓国メディアも「いやがらせ」を受けた、イラン代表の選手のマナーも良くなかったと崔監督を「援護射撃」した。

   これに対してイランのケイロス監督は激怒。不当な扱いなどしていないと否定し、「崔監督は恥知らず。イランへの敬意を欠いている」と非難した。以後はお互いがなじり合う展開となり、果ては「イランに血の涙を流させてやる」「復讐はサッカーで。血には汗でこたえる」とエスカレートしていった。

   石井氏は「この両チームなら、何かが起こるかもしれないとの予感はありました」と話す。韓国はラフなプレーが見られることがあり、イランも中東サッカー独特の狡猾さが随所に現れる。W杯の出場権がかかっていたうえ、お互いが敵意むき出してぶつかり合った。韓国とすれば、プライドをかけて必勝を期した地元での決戦に敗れ、イランに好き放題にふるまわれた末にフラストレーションが爆発し、最後は「憎き相手」に思わず手を出したということか。「ナショナリズムが、国際感覚とは違った方向であらわになったのかもしれません。(精神的に)未成熟な代表チームがいまだに存在している、ということでしょう」と石井氏は苦笑する。

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