2018年 7月 19日 (木)

ガソリンスタンド、17年連続で減少 地方では「GS過疎地」が増えている

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   国内でガソリンスタンド(GS)を経営する業者(約2万社)のうち、2012年度に252社が倒産もしくは休廃業したことが、帝国データバンクの調べでわかった。業界関係者によると、1業者当たり二つ程度のGSを経営しており、全国で少なくとも約500店舗のGSが消滅したとみられる。

   経済産業省によると、国内のGSは1994年度末の6万421店(3万1559業者)をピークに17年連続で減少している。2011年度末は3万7743店(1万9140業者)となっており、2012年度末(同省が7月に発表)も一段と減少するのは必至だ。休廃業・解散した経営者の約8割は60歳以上の高齢者で、地方では給油したくても給油できない「GS過疎地」問題が深刻となりそうだ。

老朽タンクの改修費用が捻出できない

約500店舗のGSが消滅
約500店舗のGSが消滅

   帝国データバンクによると、2012年度の倒産は47社(前年度比16.1%減)と2年ぶりに減少したが、休廃業・解散は205社(同7.9%増)と4年ぶりに増加に転じた。休廃業・解散した業者の中には「債務整理の過程で倒産(法的整理)に至るケースもあり、今後の倒産件数を押し上げる可能性もある」という。

   GS経営業者が倒産や休廃業・解散に追い込まれた理由としては、設置から40年以上経過した地下のガソリンタンクは腐食の恐れが高いため、政府が2011年2月にタンクの改修を義務付けたことが挙げられる。改修の期限が今年1月末だったため、「改修費用を捻出できないGSが続出し、廃業に追い込まれた」(帝国データバンク)とみられる。

   長引くデフレとGS間の過当競争で、石油元売りからのガソリン仕入れ価格の上昇分を店頭価格に転嫁できず、収益を悪化させているGS業者が目立っているのは言うまでもない。

経営者の高齢化も休廃業・解散に拍車

   設置から40年以上経過したガソリンタンクの改修がGS業者の経営に打撃を与えることは、これまで国会でも問題になってきた。

   自民党の今村雅弘衆院議員は2011年10月、「過疎地におけるGS等では販売利益が少ないため、工事費用すら捻出できないのが現状で、このままではGS過疎化が進む」と質問主意書で指摘。経済産業省は「地下タンクの腐食を防止することは喫緊の課題」として、「過疎地の安定供給を確保する観点から、地域のGSが事業を継続できるよう地下タンクの入れ替えに補助を行っている」と答弁したが、GS撤退は現実のものとなったようだ。

   帝国データバンクによると、休廃業・解散したGS経営者は、70歳以上が最多の82社で、60歳以上になると146社となり、全体の8割近くを占め、地下タンク問題と高齢化が相まって、廃業が増えていることを示している。

   同省によると、全国の市町村でGSが3カ所以下の「GS過疎地」の市町村は今年3月末で257ある。全国自治体(1719市町村)の15%を占めており、GSゼロは新潟県粟島浦村、大阪府豊能町、奈良県三宅町など7町村と、増加傾向にあり、今後、社会問題になるのは必至だ。

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