2024年 4月 28日 (日)

日本電産・永守社長「人間ができていない」 アナリスト「出入り禁止」の楽天に苦言

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   精密小型モーターの開発・製造で世界トップのシェアを誇る日本電産の永守重信社長が、アナリストを出入り禁止にした楽天に、「人間ができていない」と苦言を呈した。

   楽天は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のアナリストを名指しで批判。投資家に、このアナリストが作成したレポートを参考にしないよう呼びかけたほか、出入り禁止にしたことを2013年7月2日付のプレスリリースで発表するという、異例の措置を講じた。

アナリストは「みんな私の弟子」

日本電産の永守社長、アナリストは「みんな私の弟子」
日本電産の永守社長、アナリストは「みんな私の弟子」

   日本電産の永守重信社長は2013年7月23日の決算説明会で、「証券アナリストを養成するのも経営者の仕事だ」と、投資家向け広報(IR)の重要性を強調した。

   楽天がアナリストを批判するプレスリリースを発表したことについて、記者の質問に答えたもので、「間違いには反論すべきだ」と断ったうえで、会社の意にそわないレポートを書いたアナリストを、「一方的に非難して出入り禁止にするのは、人間ができていない。お互いに学びあっていくのが大切だ」と語った。

   永守社長は、日本電産のアナリストリポートには「すべて目を通しており、間違いがあれば『次は気をつけて』と、随時反論している」と話した。同時に、「アナリストには学ぶことも多い」ともいう。

   日本電産は、「あくまでも一般論としての話です」という。23日の決算説明会の参加アナリストには顔見知りも多く、アナリストとの関係について永守社長は「いつも仲よくしている。みんな私の弟子だから」と、ユーモアを交えて語った。

   永守社長は、1967年に現在の職業能力開発総合大学校を首席で卒業後、ティアックを経て、73年7月に自身を含め4人で日本電産を創業した。それを、いまや世界一の精密小型モーター・メーカーに育てた、いわば「たたき上げ」の社長だ。

   ふだんから歯に衣着せぬ発言で知られるが、2008年3月期の決算発表時には、永守社長が「休みたいなら辞めればいい」と発言したと朝日新聞が報じたことをきっかけに、労働団体や舛添要一厚生労働相(当時)から痛烈に批判されたことがある。

楽天とアナリスト、まだ会えない?

   投資家向け広報(インベスター・リレーションズ=IR)は、企業経営に占める株価の比重が高まるなか、企業が円滑な資金調達を行うため、投資家が必要とする情報をすばやく的確に提供して株主と良好な関係をつくる狙いがある。

   情報開示は、基本的には企業側の自由(法定開示を除く)なので、IRを上手に活用すれば、良好な企業イメージづくりに貢献できる、とされる。

   実際にIRの優良企業は株価が高い場合が少なくないというから、企業経営にとってはないがしろにはできないし、アナリスト・レポートなどに神経質になるのも無理からぬところはある。

   三菱UFJモルガン・スタンレー証券のアナリストを「出入り禁止」にした楽天は、7月24日現在も、そのアナリストとは面会していないようだ。同社は「この件はプレスリリースにあるとおりです。それ以外のことについては、コメントを控えさせていただきます」と話している。

   一方、三菱UFJモルガン・スタンレー証券も、「個別の案件のことなので。こちらからとくにコメントすることはありません」としている。

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