2022年 5月 26日 (木)

シカの食害が広がる 「捕獲のプロ」育成が必要だ

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「日本で初のエゾシカ専門カフェ」

   一方、捕獲したシカの肉の料理を広げる動きは広がっている。環境省によると、狩猟などで捕獲されたシカは2010年度で36万3100頭になるが、食材として活用されるのはごく一部。山で捕獲して麓まで運んで解体して出荷する労力が大変だからで、大半はそのまま埋められるなど廃棄されている。

   こうした無駄をなくそうという取り組みで、最も先進的なのが北海道のエゾシカ。牛に比べてカロリー3分の1、鉄分やミネラルも豊富なヘルシーフードというのがウリで、道は2006年に食肉処理のガイドラインを策定して活用支援を本格化。2011年度には2004年度の2.4倍の385トンを食肉として処理。これは捕獲全体の14%程度になるという。首都圏などでの販売も増えているといい、東京・三軒茶屋には「日本で初のエゾシカ専門カフェ」という「エゾシカフェ」という店も登場している。

   熊本県で1、2月に高級飲食店15店がシカなど野生鳥獣の肉料理を一斉にメニューに加えるイベントを開催、長野県は料理人や猟師らと「研究会」を設立して調理講習会を開催、和歌山県は地域おこしとして食肉処理施設を整備しているという。

   こうした食肉の流通システム整備などを、効率的な捕獲とうまく結びつけることが重要だ。そこでの最大のネックは捕獲の担い手不足は深刻。高齢化などで、狩猟免許を持つ人は2010年度で19万人と、過去40年で3分の1に落ち込んでいる。

   環境省などは効率の良い捕獲の研究、実験を進めている。そこで注目されるのが「シャープシューティング」で、捕獲し損なった個体は警戒心が強いスマートディアー(賢いシカ)になり、それが群れ全体に波及して狩猟が困難になるのを防ぐため、群れの全頭を一度に捕獲するという米国で考案された方法。北海道・知床ではこうした取り組みが成果を上げている。趣味で狩猟する人だけでなく、こうした捕獲を担う「プロ」の育成に本格的に取り組む時期に来ているといいのが、多くの専門家の一致した見解だ。

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