2024年 4月 19日 (金)

マクドナルドに立て直しの秘策はあるか 「うるさい」「高い」「まずい」と不満の声

   日本マクドナルドにとって2013年は、業績低迷に悩まされ続けた1年となった。社長交代に踏み切ったが、今のところ起爆剤とはなっていない。

   かつては「100円マック」などユニークな企画で顧客のハートをつかんだが、なぜ客足が遠のいているのか。インターネット上には、マクドナルドへの不満がぶつけられていた。

メニュー表廃止に「朝マックを昼夜にも」で「意味不明」

2014年は「復活」なるか
2014年は「復活」なるか

   日本マクドナルドホールディングスの2013年12月期の連結決算は、経常利益が前期比58%減となる見通しだ。今期2度の下方修正となった。

   思えばここ1年ほど、迷走ともいえる状態が続く。訴求力の強かった「100円メニュー」を終了し、主力の「ハンバーガー」など一部値上げを実施した。成長の原動力だったともいえる100円商品の見直しは、顧客心理に大きく響いたようだ。代わりに打ち出した高級バーガー路線はいまひとつ波に乗れず、客離れを食い止められなかった。

   2012年10月に発表した、レジに置かれているメニュー表の廃止は物議をかもした。「メニュー選びの際に不便だ」との苦情が寄せられ、当時の原田泳幸・日本マクドナルド会長兼社長(現・会長)は「混雑している時にレジで注文に時間がかかると、列に並んでいるお客様にストレスがかかる」と弁解した。だが不満は解消されず、結局2013年12月11日からメニュー表を「復活」させた。2013年5月には期間限定ながら「朝マック」を昼や夜でも食べられるキャンペーンを実施。これにはネット上で「もはや意味不明」などとあきれた声が聞こえた。

   「マクドナルドには行かない」。こういった書き込みが出ている。ブロガーのイイヅカアキラさんは12月23日付のブログに「4つの理由」を挙げた。最初の2つが「ハンバーガーがおいしくない」「ポテトがおいしくない割合が増えた」と味に関する指摘だ。ハンバーガーは「前からこんなにおいしくなかったっけ?っていうのが、最近よく思う」としている。「店舗がくつろげない」のも理由だ。席の間隔や通路が狭くて複数人では利用しなくなり、騒がしくてリラックスできないことも多いとのこと。最後が「選ぶ楽しみがない」。一時メニュー表が消えたことで「レジでの『時短』の雰囲気は、食べるものを選ぶ楽しさが半減していたように思う」。マクドナルド側は「客を待たせないために」メニュー表を廃止したとの主張だが、客のニーズを把握せずに進めてしまった感もある。

都心店はほぼ満席、仕事や勉強で長時間滞在する客も

   客離れが深刻なら、店舗はガラガラだろうか。2013年12月末の平日午後、都心のマクドナルドを訪れた。喫煙席は多少の余裕があるが禁煙席はほぼ満席だ。客層は学生やサラリーマンが中心で、まれに制服姿も交じっている。時間帯や地域によって違うだろうが、この店では騒がしさは感じられず、話し声が時折聞こえるも不快なほどではない。幼い子連れの親の姿はなかった。

   ふたり用のテーブル席はほとんど置かれておらず、横長のテーブルに椅子が複数並ぶ「ひとり席」が多い。友人と一緒にゆっくり談笑する空間とはいえなさそうだ。それでも、ノートパソコンを開いて作業する社会人風の男性や、「ふたり席」ではノートや参考書を広げて勉強する女性といった「長時間滞在型」の客も数人見られた。

   ツイッターには、「うるさい」「落ち着かない」「まずい」と露骨に不満をあらわにする投稿が多い。「ティーンズの溜まり場と化してて、うるさいから行かない」「まあ値段だろうな。たまにポテトだけなら買いに行くが、それ以外はあまり行かない」「注文時も含めて店内が落ち着かない雰囲気」といった具合だ。また「安さ」目当てで店に足を運んでいたが、100円メニュー見直しと高級化路線への転換により敬遠するようになったとの声もある。一度ネガティブなイメージが定着すると、なかなか「行ってみよう」という気にならないのだろうか。

   2013年8月、当時の原田社長兼会長と交代したサラ・カサノバ社長は12月25日、復活をかけた新商品の投入を発表した。この日放送のワールドビジネスサテライト(テレビ東京)では、「最近マクドナルドに行かなくなった」という男性にインタビュー。その理由を「手軽に食べられるのがよかったのに、高級志向になっているから」と答えた。「ウリ」のひとつだったコーヒーも、最近はコンビニエンスストアで「入れたてのホット」が買えるようになり、客が流れているという。

   カサノバ社長が力を入れる期間限定販売のハンバーガーは370円と高めの価格設定で、「手軽さ」をアピールできるかは疑問だ。これまでも期間限定商品は一定程度成功を収めたが、全体の売り上げを押し上げるほどの力強さはなかったと番組では指摘していた。

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