2024年 4月 20日 (土)

佐村河内氏側「耳聞こえない」と主張 唯一の根拠は障害者手帳取得だが…

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   作曲家の佐村河内守(さむらごうち・まもる)さん(50)が自分で作曲していなかった問題の多くの部分は、ゴーストライターの新垣隆さん(43)が2014年2月6日に記者会見を開いたことで明らかになった。

   だが、佐村河内さん側と新垣さん側で見解が対立しているのが、佐村河内さんの聴覚障害についてだ。佐村河内さん側は障害者手帳を持っていることを根拠に「耳が聞こえないのは本当だろうと思っている」と主張している。ただ、過去には数百人単位で障害者手帳の不正取得が発覚したケースもあり、取得の経緯について本人が説明することが求められそうだ。

「私が録音したものを彼が聞き、彼がそれに対してコメントする」

   佐村河内さんの公式プロフィールの内容を踏まえると、1980年頃に聴覚障害を発症し、99年に発表した「交響組曲ライジング・サン」の着手直前に聴力を全て失ったことになっている。佐村河内さんが35歳の時だ。

   ところが、ゴーストライターの新垣さんは会見の中で、

「初めて彼と会ったときから今まで、特に耳が聞こえないということを感じたことは一度もない」
「私が録音したものを彼が聞き、彼がそれに対してコメントするというシーンは何度もあった」

と話し、佐村河内さんは健常者と同様に会話ができる状態だとの見方を示した。

「『これからはそういう(耳が聞こえないという)形で』ということを聞いたことがある」

とも明かしている。その時期については「ゲーム音楽が発表された後」と振り返っている。1998年6月発売の「バイオ ハザード ディレクターズカット デュアルショックVer.」のことを指しているとみられる。

佐村河内さん側「医学的にどうなのかということをこの場で証明しろなんて言うのは難しい」

   半面、佐村河内さんの代理人を務める折本和司弁護士は、

「私どもは、ご本人が耳が聞こえないのは本当だろうと思っている。まず、障害者手帳については、私どもも確認している」

と反論するが、

「それが医学的にどうなのかということをこの場で証明しろなんて言うのは難しいこと。少なくとも、私たちはそういう印象を持っている」

と話しており、障害者手帳があることが根拠のようだ。

   新垣さんも佐村河内さんの障害者手帳を1度だけ見たことがあるという。「世間に『自分は耳が聞こえないんだ』というスタンスを取った直後」の98~99年頃のことだ。新垣さんは佐村河内さん側の主張を踏まえた上で証言をしているとも言える。新垣さんは、佐村河内さんが不正に障害者手帳の交付を受けていたと認識しているようだ。

聴覚障害2級に認定されると、住民税や所得税が30~40万円控除され、公的給付がある

   佐村河内さんが住んでいる神奈川県で障害者手帳を申請する場合、申請書に加えて、県が指定した診断書・意見書が必要だ。

   医師向けに作成された「身体障害者診断書作成の手引き」 によると、聴覚障害の診断にあたっては、音が聞き取れるかを確認する検査や、他人が話している内容をどの程度聞き取れるかを確認する検査を行うことになっている。前者はヘッドホンのようなものがついた「オージオメータ」と呼ばれる機器を使い、後者は検査をする人が「語音明瞭度検査語集」と呼ばれる表に書かれた文字を読み上げ、検査を受ける人がそれを書き取る、という内容だ。

   「両検査とも詐病には十分注意すべきである」とあるものの、検査を受ける人が「聞こえない」「分からない」と主張した場合、医師がそれを覆せるかどうかは未知数だ。

   佐村河内さんに認定されている「聴覚障害2級」の場合、住民税や所得税が30~40万円控除されるほか、医療費が助成され、障害者年金などの公的給付もある。

   実際、公的給付を当て込んだ詐欺事件も発生している。07年には北海道の医師が、健常者に対して簡単な診察で聴覚障害2級と診断。診断書を悪用して約700人が障害者手帳を不正に申請したことが発覚した。医師や仲介した社会保険労務士ら24人が詐欺などの罪で起訴され、22人の有罪・実刑判決が確定している。

   身体障害者福祉法の第46条によると、偽りまたは不正な手段で身体障害者手帳の交付を受けた人に対しては、6か月以下の懲役または20万円以下の罰金という罰則がある。

   さらに、人を欺いて公的給付を受けた場合は、刑法246条の詐欺罪に該当することになり、最長で懲役10年の罰則がある。

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