2018年 7月 23日 (月)

「奇跡のコメ」を商品化【岩手・大槌町から】(36)

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商品化された「大槌安渡ひとめぼれ」と菊池妙さん=2014年3月3日、大槌町小鎚の仮設住宅
商品化された「大槌安渡ひとめぼれ」と菊池妙さん
=2014年3月3日、大槌町小鎚の仮設住宅

   昨年の9月の「岩手・大槌町から」(14)で紹介した「奇跡のコメ」が、「大槌安渡ひとめぼれ」と名付けられて商品になりました。大槌町安渡(あんど)地区で津波に耐え、自生して実ったコメがブランド化に向けて歩み出しました。


   「大槌安渡ひとめぼれ」は、精米2合が1パックになり、1パック1,000円で売り出されています。パックは3種類あり、自生した稲を発見した大槌町の菊池妙さんの名前や、妙さんがこのコメに寄せた詩がデザインされ、添えられています。

3種類のデザインで売り出された「大槌安渡ひとめぼれ」
3種類のデザインで売り出された「大槌安渡ひとめぼれ」

   売り出したのは、「大槌安渡ひとめぼれ」のコメ作りを指導している遠野市内の「NPO法人遠野まごころネット」。副理事長の臼澤良一さんは「奇跡のコメは被災地に勇気を与えた。大槌町の復興のシンボルとして販路を全国に広げたい」と話しています。菊池さんは「よくぞ育ち、商品化にまでこぎつけることができました」と感慨深げです。


   菊池さんは、震災の年の2011年の秋、津波で流された自宅の玄関脇で、自生している3束の稲を見つけました。安渡地区は漁師町で、水田はほとんどありません。どこからか流れ着いたのでしょう。潮をかぶって弱々しそうでしたが、「安渡産大槌復興米」と名付けられて大事に育てられ、2年後の2013年秋には250キロの精米が収穫されました。コメの品種は鑑定の結果、ひとめぼれであることもわかりました。

昨年秋の稲刈りは地元やボランティアの人たちで行われた=2013年9月24日、大槌町小鎚
昨年秋の稲刈りは地元やボランティアの人たちで行われた
=2013年9月24日、大槌町小鎚

   商品化とともに、「門外不出」とされたこの種もみが大阪府富田林市のボランティアに贈られ、大阪でも育てられようとしています。この2月、1キロの種もみが、遠野まごころネットから、大槌町を中心に復興を支援している大阪府議の吉村善美さんに寄贈されました。吉村さんは「震災を風化させてはならない。大槌安渡ひとめぼれをそのシンボルにしたい」と、譲り受けを申し出ていました。種もみは、吉村さんからJA大阪南(大阪府富田林市)に託され、来春には田植えされます。

   「奇跡のコメ」が、大きく羽ばたこうとしています。


   「大槌安渡ひとめぼれ」についての問い合わせは、「NPO法人遠野まごころネット」(tel: 0198-62-1001)へ。

(大槌町総合政策課・但木汎)


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