就職活動が本格化して街にリクルートスーツの学生が増える中、就活情報サイト「リクナビ」が「就活生を煽りすぎだ」という批判がネットで噴出している。サイトのトップ画面に自分の「企業エントリー」件数が表示され、さらに過去の内定獲得者や他の就活生のエントリー数が自動で横に並べて比較されるのだ。「244社エントリーしてまだ上がいる」リクナビに表示される画面発端はある学生が2014年3月26日にツイッターに投稿した「リクナビ」トップ画面の画像だった。「あなたのエントリー件数」は53社、「内定獲得した先輩のエントリー件数」は78社と書いてあり、その下にはエントリー件数を棒グラフにしたイラストが描かれていた。50社の目盛り付近を走る人型のマークが「あなた」で、エントリー数が100社を超えてはるか先を行くのが「あなたと似た同期」だ。ユーザーが他の就活生より遅れているような印象を与える表示で、グラフのすぐ下には「内定した先輩に追いつく!」というボタンがあり、クリックすると複数企業にエントリーするページに飛ぶ。サイトの画像を投稿した学生は「これ私がおかしいというよりは周りの連中か就活の仕組みそのものがおかしいと思う」と疑問を投げかけた。6000回以上リツイートされ反響を呼び、他の学生からも不満が多数出ている。「『あなたと似た同期に追いつく』ってところやばい244社エントリーしてまだ上がいることに驚きを隠せない」「この前のリクナビのエントリー、343件してやっと自分に似た同期を大分追い越したと安堵してたら今日になってまた抜かされててわろたどんだけ就活生煽るねん」200や300社を超える数のエントリーをしても、「あなたと似た同期」側の数が上がり続けるケースもあり、大量エントリーに拍車がかかる一方だ。近年は1人で何十社も受ける例が多く、対応する企業側の負担も少なくない。「こうした情報提供は罪だ」「大学生のためのキャリア講義」などの著書がある人材育成プランナーの山本直人氏は3月28日のブログで、「エントリー(をたくさん)しなかったから内定がとれないという関係があるわけではない。内定した学生がそれだけの会社にエントリーしたのは事実かもしれないが、そういう錯覚を起こさせるという意味で、こうした情報提供は罪だ」と批判した。また、新卒入社試験で受験料を徴収する取り組みで厚生労働省による行政指導(助言)を受けたドワンゴの取締役夏野剛氏も、「厚生労働省はむしろリクナビを『指導』すべきだと思う。就活生と企業の両方を煽りまくっている仕組みだ」とツイートした。
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