2024年 5月 2日 (木)

高橋洋一の自民党ウォッチ
訪日・訪韓で透けて見えるオバマ2面戦略 中国「封じ込め」「取り込み」の双方に利用

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韓国が、沈没船事故で日本の協力拒む理由

   オバマ大統領は、尖閣諸島は日米安保条約の対象と明言したが、韓国では、韓国の中国接近をある程度、容認するだろう。米国は、日本を対中封じ込め、韓国を対中取り込みにそれぞれ利用するはずだ。

   この米国の二面戦略は、今回のオバマ大統領の訪韓では、反日・中国寄りの朴大統領の援護射撃になる。今回は一泊二日なので、核実験の兆候が見られる北朝鮮が中心議題であろうが、米韓間の合同演習やミサイル防衛など軍事面での協力を再確認するだろう。

   旅客船沈没事故でも、在韓米軍の協力を受けたが、日本の海上保安庁の協力は拒んでいる。これは、事故現場に日本の海上保安庁が来ると足手まといになるという話は本当だろうか。韓国の海洋警察庁は、日本の海上保安庁とたびたび海難事故の合同演習を行っている。

   在韓米軍はよくて、日本の海上保安庁は困るという理由は、国内感情というよりも、韓国の安全保障上の理由だろう。これは、韓国が、いまだに日韓軍事情報協定を結んでいないことと表裏一体だ。

   こうした国際情勢の駆け引きを見ると、TPPで日本が多少アメリカに譲歩したとしても、長い目で見ればたいしたことではないだろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2005年から総務大臣補佐官、06年からは内閣参事官(総理補佐官補)も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「財投改革の経済学」(東洋経済新報社)、「さらば財務省!」(講談社)など。


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