2024年 5月 6日 (月)

殺人、誘拐、拳銃使った強盗が頻発 W杯日本初戦開催地の「最悪」な治安

残金ゼロまで銀行預金を引き出させた後に置き去り

   日本大使館のサイトでは、過去にレシフェで日本人が犯罪に巻き込まれた事例が紹介されている。数人に囲まれて財布を奪われた、拳銃を突きつけられて車を強奪された、信号待ちをしていた際に近寄ってきた男に銃を向けられ、財布と携帯電話を盗まれた、といったものだ。いずれも21~22時と夜間に発生している。

   レシフェに限らないが、誘拐も多いと前出の女性教授は語る。犯人は銀行預金が目当てで、被害者は車であちこちのATMに連れて行かれ、残額がゼロになるまで現金を引き出すように強要される。カネをすべて渡せば解放はされるが、見知らぬ場所に置き去りにされるというから悪質だ。「絶対に車の中で人を待たない、下車する際に気を付けるのが予防策です」。

   犯罪の頻発に加えて、W杯直前になって各地で警官がストライキに入っているのも心配だ。サンパウロでは、開幕戦が行われるスタジアムの隣で警官が賃金アップを求めてデモを実施。そのひとりが「モーニングバード!」のカメラに向かって「日本の皆さん、治安は必ず守ります」と確約していたが、当の本人が職場を離れているのだから説得力に欠ける。肝心のスタジアムも、日本の試合が組まれているクイアバを含め現時点で未完成が数か所ある。サンパウロでは6月5日に地下鉄がストとなり、バスや車の利用者が急増して交通渋滞が悪化した。W杯開催に反対する抗議デモは、いまだに収束する気配がない。

   振り返れば2010年、前回大会が開かれた南アフリカでも治安の問題は開幕前に不安視されていた。だが、日本人サポーターが凶悪事件に巻き込まれて命を落とすことはなかったようだ。ブラジルでも当局が威信にかけて大会を成功させようと治安維持に努めるだろう。ただ一方では、現地を訪れる人は犯罪に遭わないためにもできる限りの自衛策を講じるに越したことはない。

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