2024年 5月 3日 (金)

乗客に罵声を浴びせ、殴りかかるような仕草 泥酔北海道議がしたトンデモ「機内暴言」

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   地方議会の議員のあり方に注目が集まる中、北海道議会の議員が国際線機内で他の乗客とトラブルを起こした上、客室乗務員(CA)に暴言を繰り返していたことが明らかになり、辞職した。

   この議員は、航空会社から到着地で「警告書」を手渡されている。「警告書」の発行件数は年に20~30件程度で、かなり悪質なことを繰り返し行わないと発行されない。

   道議はトラブルを陳謝した上で辞職したが、15年春に予定されている道議選への出馬については明言を避けている。

後ろの客から「リクライニングを上げてくれ」と言われ激高

トラブルは成田発フランクフルト行きの機内で起きた(写真は同型機)
トラブルは成田発フランクフルト行きの機内で起きた(写真は同型機)

   トラブルの責任を取る形で辞職したのは、自民党・道民会議の小畑保則道議(65)。小畑氏は2014年7月22日に開いた会見で、

「このたびの案件につきましては、私のいわゆるモラルの失態、失墜だと思っている。大変道民の皆さんの信頼をなくし、議員の仲間のそれぞれの皆さん方にも、大変ご迷惑をおかけした。大変申し訳なく思う」

と頭を下げた。

   小畑氏は欧州連合(EU)の農業・環境政策を調べるための同議会の海外調査団(8人)の一員として渡欧し、往路の機内で問題を起こした。一行は7月13日、成田発フランクフルト行きのJL407便に搭乗。離陸から3~4時間が経過したシベリア上空でトラブルは起きた。

   小畑氏は、機内で水やお湯で割ったウイスキー3杯、焼酎1杯を飲んでいたといい、トラブルについて、このように説明した。

   「後ろの乗客から『リクライニングを上げてくれ』という話があった。それで私も、自分でお客さんに聞けばよかったのだが、憤慨して、乗務員の方に『どうして席を上げなきゃなんないんだ』と…(クレームをした)」

   一行はエコノミークラスに乗っていた。フランクフルト線のエコノミークラスの背もたれについているディスプレーのすぐ左にはUSBの接続端子がついており、そこからスマートフォンの充電ができる。乗客は充電端子を使うために小畑氏に声をかけたのだが、小畑氏は激高してCAにも矛先を向け、暴言を吐いたわけだ。小畑氏は

「JALさんの今までの経過だとか、一回倒産していますから、そういったことを踏まえて、いろんなサービス面だとかの罵声を発した」

などと釈明した。

   後ろの席の乗客に対しては罵声を浴びせた上にこぶしを構えて殴りかかるような仕草をし、前の席の乗客がシートを倒していることについてもCAに対応を求め、再びCAと口論になったという。

「警告書」「命令書」は年に数十件しか出ない

   小畑氏は会見の中で、到着時にJALから「警告書」を手渡されたことを明かしている。

   国土交通省令では、大きく8つある「安全阻害行為」(機内迷惑行為)のひとつとして「航空機内の秩序若しくは規律の維持に支障を及ぼすおそれのあるもの」を挙げており、今回のケースはこれにあたると判断されたようだ。

   警告書は、安全阻害行為を繰り返したり続けたりしないように警告する内容で、仮にそれが守られない場合は、今後の搭乗を断ったりする可能性も触れている。CAの注意を聞かず、迷惑行為を続ける乗客に出されることが多いようだ。

   JALが公表している「安全報告書」では、特に警告書については触れられていないが、同社が09年に首都大学東京で行った講義で、その一端が明らかにされている。講義資料によると、「警告書」が出された枚数は、06年から23件、07件が31件、08年が27件。航空会社によって基準は異なるようだが、一般的には警告書はCAの責任者の権限で出せるようだ。これに対して、さらに悪質な行為に対しては、機長の権限で「命令書」が出される。この件数は8件、13件、12件と推移している。JALは10年の経営破たんで事業規模を国際線は4割、国内線は3割縮小しており、今では命令書や警告書の枚数もそれに比例する形で減少しているとみられる。小畑氏がこの「警告書」を受け取ったということは、かなり「悪質度」が高かったということになる。

   JAL広報部では「特にコメントはありません」と話している。

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