2019年 3月 20日 (水)

「日中偶発軍事衝突」は起こるのか(2)
中国の最終目標は「海洋大国」 尖閣を取れば台湾への攻撃もしやすくなる
元統幕学校副校長・川村純彦氏に聞く(下)

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   中国は、なぜこんなに尖閣諸島に強いこだわりを見せるのか。その背景などを元統幕学校副校長・川村純彦さんに聞いた。

―― 中国が尖閣諸島の領有権を初めて主張しはじめたのは1971年12月で、2013年4月以来、どんな代償を払っても譲歩できない問題で、武力行使も辞さないという意味の「核心的利益」という強い言葉と使って強硬姿勢を示しています。

陸では領土広げられないので「海洋大国」目指す

中国は日本列島・沖縄・台湾・フィリピン・ボルネオを結ぶ「第1列島線」を重要な防衛ラインだととらえている
中国は日本列島・沖縄・台湾・フィリピン・ボルネオを結ぶ「第1列島線」を重要な防衛ラインだととらえている
川村: 第二次世界大戦後に国際社会に加わった中国からすれば、自らの発展のためには、既存の秩序を打破しなければならないと考えました。具体的には領土を広げて資源を獲得する。しかし現実には、周辺にロシア、ベトナム、インドなどが隣接しており、陸上ではこれ以上広げようがない。そこで注目したのが海です。境界が明確に決まっていないところが多く、国際法はあるものの監督する機関がない。
   そう考えると、中国の最終目標は、「海洋大国」となって、米国とアジア・太平洋地域の覇権を分け合うことです。そのためには、少なくとも米国と同等以上の軍事力、特に核抑止力を持たなければならない。しかし、これにはまだ「道半ば」です。中国は、1979年の中越戦争と1996年の台湾海峡危機という2つの国際紛争における敗北から重要な教訓を学び、本格的な軍事力増強を始めました。中越戦争で旧式兵器のまま「人民戦争論」で戦った中国軍は、2万人以上の死傷者を出して敗走した。この反省から、1982年に敵を海上で迎撃するための「近海防御戦略」を策定し、本格的な海軍力整備を開始しました。
   中国は1996年にも大きな敗北体験をしています。この年台湾では総統選挙が行われ、李登輝氏が当選しました。これは台湾で初めての「自由投票」になりましたが、中国からすれば自国の一部である台湾で「自由選挙なんてとんでもない。中止しろ」となる。中国は演習と称して周辺にミサイルを撃ち込みましたが、これに対して米国は航空母艦を2隻派遣して中国の恫喝に介入しました。中国は米国の干渉を防ぐことができなかった。
   中国は「航空母艦が台湾海峡に来たら、米西海岸に核ミサイルを打ち込むぞ」と脅しましたが、これも完全に無視されました。米国に対抗できる核報復力がなかったために中国がこの敗北から学んだことは、(1)空母を保有することの必要性、(2)敵空母の接近を阻止する能力の必要性、(3)ミサイル潜水艦による確実な核抑止力の必要性、の3つでした。中国はなす術がなく、台湾は堂々と選挙を行い、民主主義は守られた。
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