2024年 4月 30日 (火)

アイヌ発言の金子市議、議長宛て要望書の「提出代表者情報」をネット公開 批判相次ぐも「問題と思っていない」

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   「アイヌ民族なんて、いまはもういない」などとツイートしたことが問題となった金子快之市議(43)がまたもや物議を醸している。

   金子市議は2014年9月15日、自身の議員辞職勧告決議を求める要望書の画像をツイッター上にアップした。その際、書面内にある提出者(団体代表者)の情報部分もそのまま公開したことから、インターネット上で問題視されることとなった。

中の人名乗る人物「団体といっても、ふつーの個人の集まりですよ?」

後ほど削除されることとなった金子市議のツイート(白加工は編集部によるもの)
後ほど削除されることとなった金子市議のツイート(白加工は編集部によるもの)

   今年8月、「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね」「利権を行使しまくっている」などと書いたツイートがきっかけとなり、窮地に追い込まれることとなった金子市議。

   9月1日には所属会派「自民党・市民会議」の勧告に従って会派を離脱し、9日には自民党札幌支部連合会が除名処分とすることを決めた。北海道新聞によると22日の定例市議会で議員辞職勧告決議案が可決されることは確実だという。

   そうした状況の中、あるツイートによって再びバッシングを受けることとなった。15日、金子市議は10日付で提出された札幌市議会議長宛ての要望書の画像をツイッター上で公開したのだ。

「SAPPORO AGAINST RACISMさんから議員辞職勧告を求める要望書が届いた。15070名の署名がインターネットだけで集まったそうだ。便利な時代になったものです」

   「SAPPORO AGAINST RACISM」は8月25日から署名サイト「Change.org」で「アイヌ民族へのヘイトスピーチを撤回しない札幌市議会議員 金子やすゆきに対する議員辞職勧告決議を求めます」と題して署名を集めていた団体。ツイッター上に上げられた要望書の書面にも同様の訴えが記されていた。

   バッシングの原因は要望書の右上に記されていた団体代表者の情報だ。名前と住所、携帯番号が記されていて、特に加工でぼかすようなことはしていなかった。公開した個人情報はこの「代表者」の部分だけだが、それでも、

「腹いせか何か知らんけど、個人情報を堂々と公開するとはなんたる神経」
「個人情報を晒すとか、議員の前にどんだけ常識なしなんだよ...」
「市民から寄せられた辞職を求める陳情書の個人情報を公開してしまうなんて」

といった批判的なコメントが続出し、本人のアカウントにも多くの苦情が寄せられた。

   「SAPPORO AGAINST RACISM」の一員を名乗る人物も「団体といっても、ふつーの個人の集まりですよ?晒すかそれ?ざけんなマジで」と怒りを露わにし、金子市議にも直接「個人情報晒すのはマナー違反ではないでしょうか。いますぐ該当tw(編注:ツイート)を取り消して、再度アップするなら個人情報にぼかし入れて下さい」と訴えた。また、ツイッターの利用規約にも反するとして違反報告をする人も相次いだ。

削除依頼来たので「とりあえず削除した」

   金子市議は15日夜に該当ツイートを削除したものの、特にそのことについて触れるツイートは投稿していない。

   J-CASTニュースが事務所に取材を申し込んだところ、本人が電話で応じた。ツイートを削除した理由について尋ねてみると、代表者と思われる人物から昨夜に電話があったためだと答えた。電話は金子市議が受けたわけではなく、相手の名前も聞いていないため代表者本人かどうかは分からないという。さらに削除を求める理由についても聞いていないが、市議によれば求めがあったために「とりあえず削除した」そうだ。

   個人情報を含むものを公開したとして批判の声があると伝えると「問題があるとは考えていない」との見方を示した。

「要望書は市議会に出されているものであり、インターネット上で公開していいかどうかも市議会に事前に確認している。書かれている情報もあくまで団体代表者の名前や団体の住所。個人情報保護法の観点からも政治活動の中で公開されるのは当たり前でしょう」

   札幌市議会事務局政策調査課の担当者に聞いてみると

「提出された社会団体の方は要望書を各会派に配ってほしいとのことでしたので、無所属の金子市議も含めて配布しました。その上で『個人情報の取り扱いについてはご留意ください』とお伝えしました」

と言う。

   事務局としては「金子市議の行為が法に抵触するかどうか判断できる立場ではない」としながらも「ツイッターで公開することが法令に違反するとは明確には捉えていません」との見解だった。

   なお金子市議は今日中にも要望書をブログに再掲載するという。再び削除を求める問い合わせが来た場合について尋ねると「言われたらまた考える」といい、「言いたいことがあれば直接来てほしい」と話した。

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