2019年 1月 20日 (日)

呼吸器病患者の災害対策どうするか 3.11の経験などを医師らが報告

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   常時、酸素吸入が必要な呼吸器病患者の災害対策をテーマにした市民公開シンポジウムが2014年12月6日、東京で開かれた。

   2011年の東日本大震災で亡くなった患者が多かったことから設置された厚生労働省研究班 (班長=木田厚瑞・日本医科大教授) が患者さんらとの意見交換の目的で企画した。

地域のHOTセンターが必要になる

   シンポジウムでは大震災での経験を石巻赤十字病院の矢内勝・呼吸器内科部長、岩手医科大学呼吸器内科の山内広平教授が報告した。

   閉塞性肺疾患 (COPD)が進むと在宅酸素療法(HOT)が必要になる。矢内さんによると石巻医療圈では250人のHOT患者のうち33人が亡くなった。酸素が無くなった88人が赤十字病院に助けを求めた。病院では酸素濃縮装置30台を集めたHOTセンターを開設した。災害時は酸素業者が患者に直接対応することになっていたが、矢内さんは「病院や自治体が協力し、地域のHOTセンターが必要になる」と強調した。

   山内さんによると、大震災では肺炎が急増した。化学物質や細菌を飲み込む津波肺とHOT患者が多かった。呼吸器の常勤医のいない県立大船渡病院にHOT患者が次々に入院して対応に追われた。HOT患者のアンケート調査では、業者が4割の患者を直接訪問するなど7割の患者が連絡を受けていた。ラジオ情報の活用は不十分だった。

   信州大学医学部保健学科の藤本圭作教授は自治体の災害対策を報告した。研究班の調査に約860自治体のうち650(75%) が、HOT患者は災害時の「要援護者」に入っていると答えたが、実際は障害等級や要介護度の条件付きで、ほとんどの自治体で大部分のHOT患者は該当せず、酸素業者は連絡先に含まれていなかった。例外的なのは藤本さんらの地元の長野県松本市。HOT患者は希望すれば要援護者登録ができ、指定の病院でHOTセンターを開設する。要援護者の薬や必要情報は家庭の冷蔵庫に保管する。

   日本医大病院の茂木孝講師は平時から地域でのこうした状況をつかみ、患者自らが災害に備える重要性を指摘した。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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