次世代のため、東京を無煙都市に 宣言を採択

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   日本禁煙医師歯科医師連盟の学術総会が2015年 2月28日と 3月 1日、東京・築地の国立がん研究センターで開かれた。21回目の総会の会長を務めたのは1992年 5月の創立時からの発起人でもある斎藤麗子・十文字学園女子大学教授。「次世代をタバコの害から守るために」「祝・たばこ規制枠組条約発効10周年」のスローガンを掲げたこの会は 3つのシンポジウムを中心に盛り上がった。

   たばこ規制枠組条約は世界保健機関(WHO)が起草、2005年に発効した国際条約で、受動喫煙を含むたばこの害からすべて人々を守ることを求めている。日本は19番目と早期批准国でありながら、飲食店など屋内の公共的空間を禁煙とするなどのたばこ対策では各国に後れをとっている。

   シンポジウムで意見が集中したのは東京オリンピック。条約をふまえ、近年、オリンピック開催都市は法律などで屋内禁煙に踏み切っているが、舛添要一・東京都知事は2015年 2月、議会の反対が強いことから条例を見送る方針を表明した。シンポジストの多くはたばこの害は明白であるとして、2020年の東京オリンピックを機に飲食店や公共施設の禁煙を要望しており、知事の再考を促す意見が相次いだ。

   神奈川県知事時代の2010年、全国で初の受動喫煙防止条例を制定した松沢成文参議院議員は、条例には財務省や日本たばこなどを中心とした反対の動きが強かったと述懐した。有識者による都の検討会が、国がやらないのに都だけは知事の権限逸脱では、などと議論したことに対して松沢さんは、石原知事時代に都だけがジーゼル排ガス規制をしたと反論、国民の声をバックに国会議員を結集し、全国的な屋内禁煙を実現する方針を強調した。

   総会は前回の東京オリンピックで交通網や衛生設備などが充実したとし、2020年には次世代に残す遺産としてたばこ問題を挙げ、「タバコの煙のない社会を作る東京宣言」(無煙都市東京宣言)を採択した。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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