家具・インテリア販売大手の大塚家具が、最大50%OFFという「大感謝フェア」を開催する。経営権をめぐり、創業者で父の大塚勝久氏(71)と激しい委任状争奪戦を繰り広げ、勝った娘の久美子社長(47)だが、この間に低下した信頼とブランドイメージの回復のため、「おわびセール」でテコ入れを図る。デンマーク製ラブソファやイタリア製ダイニングテーブルが30%OFF「新生・大塚家具 大感謝フェア」は、東京・有明本社ショールームや銀座本店、新宿ショールームなど、全国16のショールームで2015年4月18日~30日まで開く。フェアの内容は、これまで同社が提案してきた「高品質でリーズナブルな価格」「充実したコンサルティングサービス」「おもてなし」を感じてもらえる企画を用意したという。「感謝企画」の柱は3本。通常価格より最大50%OFF、10%おトクな商品券(期間や数量を限定)と、プロのコンサルタントによる「快適な眠り」のアドバイス、さらに「上質な家具に囲まれる、くつろぎのおもてなし体験」として、店内でコーヒーやお茶のサービスが受けられる、というもの。とはいえ、実際にはどんな家具がいったいどのくらい安くなるのだろう――。大塚家具に聞いてみた。大塚家具は、「(値引きの)対象商品はオーダーメイド家具を除き、オリジナル家具と輸入家具のほとんどを考えています」と話す。たとえば、有名なマットレスブランドで老舗の米キングスダウンのレガリアシリーズなども値引きの対象になるという。また「目玉商品」には、たとえば税込27万1080円のデンマーク製のラブソファを18万9000円に、オリジナルブランドの3人掛けレザーソファやイタリア製の伸長式ダイニングテーブルは38万8800円を27万2160円に値下げ。いずれも30%OFFでの販売だ。さらに、「通常でも気に入ってすぐに使いたいという方の中には店頭展示品を購入されますが、フェアでもそういった商品は大幅値引きの対象になります」と、値引きが期待できる商品もまだまだありそう。ただ、具体的な商品や点数、価格などは現在調整中で、「来週にはお伝えできると思います」と話す。また、5月のゴールデンウイーク期間中は例年フェアを展開。2014年は快眠を提供する「ベッド フェア」だったが、15年も「大感謝フェア」に引き続き、別の企画を検討中という。会員でなくても、希望すれば案内係がついてくれる一方、父娘の経営権争いの争点になっていた接客手法については、会員制だった父・勝久氏の手法を一部見直し。入店時に会員登録を求めず、「希望者には案内係をつけて説明しますし、もちろん自由にご覧いただくこともできます」と話す。インターネットで申し込み、来店すると受けられる「インテリア相談」も、「店頭にお越しになってから声をかけていただいても、ご相談に応じます」としている。「新宿ショールームは、受付カウンターを縮小して、自由に入りやすくしました」と説明。店づくりや接客手法について、大塚家具は「大きな変化はありません」というが、高品質の高級路線を残しながらも、誰でも入りやすいカジュアルなショールームを目指すようだ。インターネットには、「大塚家具すげえな。大感謝フェアで半額やるって」「大感謝フェアは気になる」「行ってみたい。新しい力を応援したい」と好評のようだが、「新しい感性を売りにする久美子社長が『新生・大塚家具 大感謝フェア』と銘打った大規模なセールを開催って、意外と父親世代と似たものがないか?」といった、「新生」というものの「なにが変わるのか」わからないといった声もみられる。ライバルは、「安くてお得感があって、ファッショナブル」というイメージで集客力を高め、売り上げを伸ばしているニトリやIKEAだ。経営コンサルタントの大関暁夫氏は、「ニトリやIKEAとは価格差があり過ぎます。最大50%OFFという今回のフェアは、ニトリやIKEAの顧客層が足を運びたくなるかもしれませんが、それが売り上げに結びつくかどうかは不透明ですね」と、厳しくみている。
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