2024年 4月 17日 (水)

トランス脂肪酸「安全と認められない」 米国は18年に全廃、日本はどうする?

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日本人は摂取量低く、健康被害への懸念小さい

   現在、日本では消費者庁が2015年4月1日に施行された食品表示法で、これまでメーカーが任意で表示してきた栄養表示を義務化。栄養表示基準に基づいて、新たに食品表示基準が定めた。

   しかし、その栄養表示基準に「トランス脂肪酸」は含まれていない。消費者庁は「どの栄養成分に表示が必要か、議論してきましたが、トランス脂肪酸については日本人の摂取量が少ないことなどを理由に、(表示基準から)外れました」と説明する。

   一般的に、日本人はトランス脂肪酸の摂取が、欧米人に比べて少ない。日本人の1日あたりのトランス脂肪酸の摂取量は平均で0.7グラム。欧州(14か国)では平均1.2~6.7グラム、米国は5.8グラムとされる。

   つまり、摂取量が少ないので健康被害への懸念も小さいと判断したことで、日本でのトランス脂肪酸の、食品の容器包装やホームページ、広告などへの表示はすべてメーカーの任意となっているわけだ。

   ちなみに、トランス脂肪酸の成分表示が義務付けられている国は、米国やカナダ、韓国、ブラジル、アルゼンチン、香港、台湾などで、日本やオーストラリアやニュージーランド、中国などは任意。EU(欧州連合)は、現在は任意だが、必須項目に加えるかどうかを検討している。

   米国のように「全廃」とはいかなくても、世界的な潮流は規制強化に向いているようで、国内メーカーはそんな「空気」に敏感に対応している。

   たとえば、小売り大手のセブン&アイ・ホールディングスは2010年12月から、トランス脂肪酸を含んだ食品をできる限り販売しない方針を打ち出し、「前向きに進めている」ところ。外食のモスバーガーやミスタードーナツなど、自主的にトランス脂肪酸を含んだ食品の表示を増やしたり、商品自体を取り扱わなくなったりしているメーカーは増えてきている。

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