歌手のT.M.Revolutionこと西川貴教さん(44)の「アンコール論」が話題になっている。西川さんは2015年6月29日から30日にかけてのツイートで、ライブ本編後のアンコールは義務でも強制でもなく、アーティストがファンの求めに応えて行う「心と心の呼応」だと指摘。ファンに改めて理解を求めた。スマホいじったり、座っておしゃべりしたり...発言の直接のきっかけとなったとみられるのは、前日28日に行われた全国ツアーの佐賀公演だ。この日、西川さんはアンコールで5曲を披露したが、ライブに参戦したファンらのツイートによると、最初はアンコールの声があまり盛り上がらず、座ったままの人も少なくなかったという。そのためステージに戻った西川さんは「アンコールはしません」と伝え、一度はそのまま終了になりかけたそうだ。翌29日、西川さんはツイッターを更新。「常々アンコールに関してお答えしていますが」と切り出し、「基本は本編で全て完結しており、チケット代はこの本編に対して頂戴しております。更に求められ、それに応える心と心の呼応がアンコールです」と述べた。その上で「本当に求めて頂ければ、いくらでもお応えします。ですから『もっと』のアピールは、強く大きくお願い致します」とファンに訴えた。さらに30日のツイートでは、「お客様にアンコールを強要している訳ではなく、アンコールを頂きステージに出ると、スマホを触ったり、着席して談笑されてることがあるのでアンコールは演る側も義務ではありませんし、お客様も強制ではありませんよ、というそもそものお話をさせて頂きました」と前日のツイートを補足した。西川さんはかねてから全員参加型のライブを大切にしており、アンコールについてもファンとの共鳴を重視してきた。佐賀公演での出来事を受け、自身のスタンスを改めて示そうと考えたのだろう。「前から惰性のアンコールは演者に申し訳ないと思ってた」西川さんの「アンコール論」は現在もインターネット上で大きな反響を呼んでいる。「みんながみんな同じ温度、気持ちで観てるわけじゃない」「地方はライブ慣れしてないんだよ。仕方ない」などの意見も出ているが、賛同する声は多く、「賛成です。前から惰性のアンコールは演者に申し訳ないと思ってた」「アンコールはお客が必死に求めてアーティストを引っ張り出すものだと思う」「最近行くライブ、本当アンコールしないでただただいるだけの人本当多い」「特に会場が大規模になるほど、どうせ他の奴らがアンコール言うだろって空気を感じる」といったコメントが続々と上がっている。現在、国内で行われているライブではアンコールに応えて数曲を披露するのが一般的。アンコールを前提にセットリストを組んでいるケースも少なくなく、観客は往々にして「アンコールで再び登場するのは当たり前」と思いがちだ。今回の発言は西川さんファンだけでなく多くの音楽ファンにとって、形骸化しているアンコールの姿を今一度見直すきっかけにもなったようだ。なお複数ファンのツイートによれば、かつては「KinKiKids」の堂本光一さんも「アンコールは呼ばれなければ出ない、当たり前にやるものではない」といった趣旨の発言があったそうだ。ただ、アンコールの考え方やスタイルは、個々によって異なるだろう。自らアンコールを促すアーティストもいれば、やらない姿勢を貫いているアーティストもいる。ロックバンド「GLAY」のギタリストHISASHIさんは、ツイッターで西川さんの発言についてファンから質問を受けると、「人(バンド?)それぞれスタイルがあり一概に何が正解って無いと思うんだよね。ファンとメンバーで作り上げていく事なのでは?」(7月1日投稿)との見方を示した。
記事に戻る