このところスランプだったマーリンズのイチローが7月になって初めての安打を放った。通算3000安打を目指す再出発なのだが、苦しむ姿は変わらない...。空振りや見逃し目立つ2015年7月8日の交流戦、レッドソックス戦の4回に中前にしぶとく落とした。この安打は、イチローにとって6月18日以来35打席ぶりのものだった。一塁ベース上に立ったイチローを見ると、さすがベテランで淡々としていた。「よかった」というファンは多かったことだろう。日本で映像を見たファンはなおさらだったと思う。あのイチローが34打席も安打が出ないなど、考えられないことだった。「イチローにスランプという言葉は当てはまらない」ジェニングス監督の言葉だが、しかし、現実は厳しい。かつてのイチローならわけなくとらえていた投球を正確に、確実に打てていない。ファウルになることが多く、空振りや見逃しも目立つ。「やはり、40歳、か」こんな見方が専門家の間でささやかれているのも事実である。ずっとレギュラーで出場していただけに、たまに先発、代打となると、調子を維持するのが難しいと推測できる。そんな状況の中で、なんとか戦力になっているのは準備に怠りがないからだろう。後半戦は出番が減る可能性大リーグでの通算3000安打がイチローの目標となる。久しぶりの安打は今季43本目、通算2887安打にあたる。残りは100本と少し。現状から考えると、今シーズン中に大台をクリアするのは、ちょっと無理。常時出場の機会を与えられれば可能だが、依然として5番目の外野手扱いでは厳しい。記録達成は来シーズンに持ち越されるだろう。ことしの試合出場、打席立つチャンスが少ないのはチームが指名打者のなおナ・リーグ所属であることが響いている。外野手はホームランを求められる傾向が強い。指名打者のあるア・リーグならば、外野手の一人が指名打者になる可能性が高いため、守備のいいイチローは先発出場の機会が増える。さらに今季、マーリンズが優勝の望みがなくなれば、後半戦のある時期から来シーズンのチーム作りに着手するから、若手選手の出場がグンと増える。そういう意味ではチーム成績がイチローに出場に大きく影響するといえる。マリナーズを出て以来、イチローの出場試合が減っている。数少ない打席でどう安打を放つか、注目したい。(敬称略 スポーツジャーナリスト 菅谷 齊)
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