2024年 5月 7日 (火)

ストレッチポール 背中の下に敷く軟らかな「丸太」で体のゆがみ解消

   最近、スポーツジムの床で棒状の物の上に仰向けになり、天井を見つめている人々をよく見かける。ほとんど動かず、一見、居眠りをしているように見えるが、背中の下にあるストレッチポールという器具を使って、体のゆがみを直しているのだ。

   いったいどんなストレッチか、ジムの講習会に参加した。

  • 弾性が強く、しなやかなので痛くない
    弾性が強く、しなやかなので痛くない
  • 弾性が強く、しなやかなので痛くない

体の左右のバランスが崩れていた

   使う前に自分の体のゆがみをチェック。片足立ちをすると左足だけがヨロヨロする。仰向けに寝ると右側の肩の骨だけが床に当たる。普段気づかないが、体の左右のバランスが崩れているのだ。「自分のゆがみ箇所を覚えておいてください」と、インストラクターは参加者の体のあちこちにシールを貼った。

   いよいよストレッチポールを使う。ポールを頭から腰まで真っ直ぐに背骨の真下に置く。直径15センチ、長さ98センチの丸太状。弾性が強く、しなやかなので痛くない。まず基本形の姿勢から教わる。両手を八の字に広げて膝を曲げて上にあげ、一番楽に体が寝られる位置を探す。そしてゆっくり呼吸を繰り返しリラックスする。この基本形から手足を様々に動かして、背骨、肩甲骨、股関節、骨盤などのコリをほぐしていくのだ。

ゆっくりした動きなのに体がポカポカで軟らかくなっていた

   両腕を天井に突きだす。そして、ゆっくり半円を描きながら降ろして肘を床につける。その際、筋肉の力で床につけようとしてはいけない。重力に任せて腕の重みで自然に下がるようにする。すると肘が左右対称に床につかない。右肘だけが床から浮いた。これが体のゆがみだ。呼吸を繰り返し、ゆがみを意識しながらユルユルと背中をポールの上で転がし、右肘がつくようする。

   続いて両膝を外側に広げる。ここも足の重みに任せる。最初は股が痛い。そこをゆっくりと両膝を広げていき、楽な位置を探す。見つかったらそこで呼吸を繰り返しながら、ポールの上でユルユル動く。すると、凝り固まった股関節がほぐれるのか、膝が自然に広がっていく感じだ。呼吸を重視するところはヨガに似ている。

   今度は左足の膝を立てて、右足だけをスルスルと真っ直ぐ伸ばしていく。丸いポールの上だから不安定で転げ落ちそうになる。力を抜いてバランスを保ち楽な位置を探す。右足と左足を交換して同じ動きをする。この繰り返しの過程で骨盤が緩み、体の左右のゆがみも直っていくという。

   こうして7つの基本動作が終了した。計20分ほど。すべてゆっくりした動きなのにポカポカする。「ゆがみが解消されたかどうか、自分で確かめてください」とインストラクター。運動前と同じ動作をしてみる。左右のゆがみが減った感じだ。前屈運動をすると、確かに普段より柔らかく前に曲がった。

   ストレッチポールは、もともとプロスポーツ選手のけが予防を目的に開発された。現在、スポーツジムや学校の部活動、病院、高齢者介護施設などに広がっている。腰痛、肩こり、首の痛みなどは姿勢が悪かったり、骨盤・股関節・肩甲骨周辺の筋肉が固まっていたりと、体のゆがみが主な原因だ。ストレッチポールは、リラックスしながら固まった筋肉をゆるめることで体のゆがみを解消する効果があるといわれる。

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