診療報酬改定で「薬はジェネリック」目指す厚労省 医師会vs財務省・健保の攻防はどうなるのか

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「国民への還元」か、「地域医療の崩壊」か

   「本体」部分では、特に、薬剤師の技術料といえる調剤報酬が削減の主ターゲットになりそうだ。厚労省は特定の医療機関の処方箋を集中的に受け付ける「門前薬局」で、服薬指導など「かかりつけ薬局」の機能を果たしていない場合は報酬を減額する方針。財務省はさらに、加算要件など細かい見直し方針を示している。

   そのほか、議論になるのが「患者7人に看護師1人」と手厚い配置の重症患者向けの急性期のベッド数。報酬額も最も高いが、当初の厚労省の想定を大きく上回って広がり、多すぎると指摘される。前回の2014年度改定で削減を促すため要件が厳しくなったことから、2014年3月時点の約38万床が、2015年4月時点では約36万4000床に減ったが、なお過剰との指摘がある。

   医療のユーザーである健康保険組合連合会など6団体は2015年11月18日、診療報酬引き下げを求める要請書を塩崎恭久厚労相に提出。「薬価の引き下げ分を診療報酬本体に充当せずに国民に還元する必要がある」として、「本体」部分も引き下げるよう訴えた。重症患者向けのベッド数についても、さらに絞り込むよう主張。一方、日本医師会(日医)は強く反発。「さらなるマイナス改定は地域医療の崩壊をもたらす」(同11月5日、横倉義武会長)と、財務省の方針を批判している。

   日医は来春に会長選を控えており、大幅なマイナス改定には自民党内に来夏の参院選への影響を懸念する声もあり、「最後は政治判断」(財務省関係者)になる。

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