2018年 8月 17日 (金)

「ビフィズス菌を腸に届けよ」 難題を解決した凄いカプセル

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   小さな銀色の粒を口の中に入れるとスッとした清涼感が広がる。明治時代に発売された「仁丹」は、100年以上にわたる日本でも有数のロングセラー商品だ。

   生みの親の森下仁丹(大阪市)はもうひとつ、20年以上にわたって人気の食品がある。苦心のうえ開発された高い技術が、息の長いヒットを支えている。

  • 「ビフィーナ」について話すマーケティング本部長・磯部美季さん
    「ビフィーナ」について話すマーケティング本部長・磯部美季さん
  • ビフィズス菌が50億個含まれる「ビフィーナS」
    ビフィズス菌が50億個含まれる「ビフィーナS」
  • パッケージには機能性が表示されている
    パッケージには機能性が表示されている

発売当時、腸内フローラは話題になっていなかった

   森下仁丹の機能性表示食品「ビフィーナ」は、生きたビフィズス菌をカプセルに閉じ込め、服用することで腸内フローラを良好にし、便通を改善する機能がうたわれている。腸内フローラとは、腸の中にある細菌が群生して、まるで花畑(フローラ)に見えるところからそう呼ばれている。腸内細菌はひとり当たり300種類、100兆個あり、総重量は1~2キロに達するといわれている。

   腸内細菌のひとつにビフィズス菌がある。実は自然界には生息せず、ヒトや動物の腸でのみ生きられる。いわゆる「善玉菌」の代表格で、乳酸や酢酸を出し、腸内環境を整える働きがある。だが加齢や食生活の乱れで減少するので、新たにビフィズス菌を体内に補充せねばならない。

   難しいのは、ビフィズス菌が胃酸で溶けてしまう点だ。これを解決したのが森下仁丹のシームレスカプセルの技術だった。マーケティング本部長の磯部美季さんによると、同社の代名詞ともいえる銀色の丸薬の仁丹を「液体にできないか」というプロジェクトが、カプセル研究のスタートとなった。

   当時の一般的なカプセルには、継ぎ目があった。だが中に入れる液体が染み出さないようにするには、継ぎ目をなくさねばならない。改良を重ねて生まれたのが、球形のシームレスカプセルだった。社史を見ると、1971年代に開発が始まり、液剤の「クリスタル仁丹」が発売されたのが1978年。苦心の末のシームレスカプセル誕生だった。

   初代ビフィーナが発売されたのは、1993年だ。現在と比べてほとんどビフィズス菌や腸内フローラが話題になっていなかった当時に、ビフィズス菌研究を長年手がけてきた東京大名誉教授・光岡知足氏と「ビフィズス菌を胃酸から守る方法はないか」と検討の末、シームレスカプセルをさらに強化して胃酸に耐えられる性質の皮膜を開発した。これを2重にしたカプセルを使用する。「デリケートなビフィズス菌を守り、確実に腸に届ける工夫が凝らされています」と、磯部さんは話す。

腸内の有用菌の増加、便中アンモニア減少

   新発売当時、ビフィーナにはビフィズス菌10億個が含まれていた。いまでは、「R(レギュラー)」が25億個、「S(スーパー)」と「S(スーパー)Pearl(パール)」が50億個、「EX(エクセレント)」には100億個と、パワーアップした商品群となっている。磯部さんによると、利用者は男女がおよそ同じ割合で、シニア層も多いそうだ。「便通の改善」という機能性から、排便回数の増加や腸内の有用菌の増加、便の中のアンモニア減少といった効果が挙げられている。

   利用者の中には便秘で悩む人以外に、便のにおいが気になる人もいるようだ。アンモニアのような腐敗物が多く含まれる便はにおいがひどい。便臭が収まれば腸内環境が整ってきたとも考えられ、体調のバロメーターにもなり得る。

   発売から20年以上愛用している消費者も少なくないという。長年の実績を基に、2015年には機能性表示食品として消費者庁への届出が受理され、明確に「何がどこにどんな効果があるか」を表示できるようになった。

   近年の研究では、腸内環境が心や脳の健康にもかかわっているとの報告もあり、腸内細菌のはたらきに対する期待はますます高まっている。磯部さんは、「当社は『健康の基本はお腹から』と考えています。機能性を説明できるようになったことで、ビフィーナの良さをさらに広く知っていただきたい」と語った。

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