ピザの耳の部分を残すのは、マナー違反なのか、そうでないのか。そんな議論がネット上で盛り上がっている。ピザの食べ放題チェーンなどで皿の上に耳の山が出来ているのを見るとイライラする、という人もいる。本場イタリアでは耳を残す人が普通にいて、決してNGというわけではないらしい。日本人の「もったいない精神」がこんなところにも表れているのではないか、と見る専門家もいる。「食べ物粗末にするなよ」「耳くらい頑張って食え!!!」「『ピザの耳は残してもマナー違反じゃない』←これマジ?」。こんなスレッドが2016年1月13日に掲示板「2ちゃんねる」に立ち、まとめサイトが取り上げたため大きな話題に発展した。ある男性が彼女とピザ店に入って食べたところ、彼女は耳をポイポイと捨てだした。「食べ物粗末にするなよ」と怒ったら本場イタリアなどでは普通だと返された。耳は持つところであり、美味しくないしカロリーも高いと言われたが男性は、美味しいところだけ食べて耳を捨てるなんて腹立たしい、と収まらず、「ピザの耳くらい頑張って食え!!!」と書き込んだ。するとこれが議論となった。「大学の友達が耳まで食べてて軽く引いた。下品だし不味くね?」「ここは日本ですよ。まともな日本の食事作法受けてたら食べるよな」「サンドイッチで耳を4辺切り落としてしまうのと同じ感じなのかなぁ」「ピザの台はあくまで具を載せる台であって、それだけで食べることが前提のものとは違うと思う」など賛否両論が掲示板で語られた。一方で、耳が大好きだという人もいる。果たして耳を残すのはマナー違反なのか。ピザチェーン「シェーキーズ」を展開するアールアンドケーフードサービスに話を聞いてみた。担当者は、「店としては端まで食べてもらいたいのですが、マナー違反ではないと思います」と説明した。普通のピザ店はエッジから1センチ内側に具を載せている。耳の部分は焼いたパンのようなもので、食パンの耳と同様に嫌いな人もいるからだ、という。ただし、上の具だけを食べて、ピザ生地はすべて残すのはマナー違反で、店が注意をする場合もあるという。日本人には「もったいない精神」があるから?宅配ピザ大手「ピザーラ」では14年から「みみまでおいしい!!」シリーズを発売している。「ピザーラ」を展開するフォーシーズの広報は、「当社の耳はおいしいですよ」と強調する。耳は食べないという人にも最後まで食べてもらいたいからだという。ただし、そうはいっても好き嫌いはだれにでもある。「ピザの耳を食べなくてもマナー違反だとは思いません」関西の大手料理専門学校グループに取材した。本場イタリアでは耳を食べるかどうかは人それぞれ。「特に決まりはなく、残す事はNGではありません」と説明した。イタリアの場合はピザをカットせず一人分として提供される。それをナイフとフォークで食べるが、耳の部分まで食べてしまうとお腹がふくれてしまい他の料理が食べられなくなるため、残す事も多いのだそうだ。なぜ日本では耳を残す事が議論になるのかについては、「日本人にはもったいない精神があって、ピザの耳でも人が残すのを見ると引っ掛かりを感じてしまう、ということではないでしょうか」と専門学校グループの企画部では説明している。
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