マイクロソフトの最新基本ソフト「Windows10」をめぐり、ここ1週間ほど「勝手にアップグレードされた」とする声がインターネット上に殺到している。「原因」は無償アップグレードの仕組みが変更されたため。同社としては「利用者がより簡単に更新できるように」したつもりだったが、逆に混乱を招いてしまったようだ。「風呂から上がったらWindowsアップグレードしてる」同社がWindows10の提供を始めたのは2015年7月のこと。以来、「Windows7」「Windows8.1」の利用者には2016年7月29日までの期間限定で無償アップグレードを実施している。ただ利用者の中には、周辺機器との兼ね合いなどからアップグレードしたくない人もいる。その場合は、パソコン画面に切り替えを促す通知が表示された際に「×」をクリックするなどして、更新を避けることができた。しかしネット上には、ここ1週間ほど、「Windows10に勝手に更新された!なにこれ!?」「風呂から上がったらWindowsアップグレードしてる」「お前さっきまでCD取り込んでくれてたやんけ」と困惑の声が続々と寄せられ、騒動になっている。原因は5月13日に通知画面が変更されたことだ。これまでアップグレードのタイミングは利用者自身が決められるようになっていたが、今回の変更により、画面に表示された日時に自動的に実行される仕組みになった。無償期間の終了が約2か月後に迫る中、普及強化を図ったのだろう。利用者が更新を回避するには、通知内にある「ここをクリックすると、スケジュールを変更、または予約をキャンセルできます」という部分をクリックし、利用者自ら予約を取り消さなければならない。これまで通り画面右上の「×」をクリックしてもキャンセルしたことにはならないので注意が必要だ。日本MS「情報発信の一環」...騒動とは無関係通知は開始直前にも表示されるため、自動更新を避けるチャンスは2度あることになる。ただ、キャンセルのリンクはあまり目立たないため、見落としてしまう人が少なくないのだろう。結果的に多くの人に「半強制的」と受け取られることとなった。するとマイクロソフトサポートは5月21日、アップグレードが始まった後にキャンセルできる手順をまとめた動画を公開した。22日には公式ツイッターを通じて告知もした。これがネット上でさっそく注目を集め、「もっと早く知りたかった...」「動画作るくらいなら公式テロなんぞしなければいいのに...」といった声が相次いだ。このタイミングで動画を投入したということは「ネット上の騒動に、ついに屈した」ということなのだろうか――。日本マイクロソフトの広報担当者は23日、J-CASTニュースの取材に「キャンセルの手順については、以前からサポートページで紹介していました。動画は情報発信の一環です」とコメントし、ネット上の騒動を受けて作ったわけではない、とした。また通知画面の変更については、あくまで「利用者がより簡単に更新できるようにするため」だと説明した。ちなみに動画によると、下記の手順を踏むことで前のOSに戻すことができるという。(1)アップグレードが完了するまで一旦待機(2)「Windows10へようこそ!」の画面が表示されたら「次へ」をクリック(3)法的文書の承諾画面で「拒否」を選択(4)ポップアップ画面で再度「拒否」を選択動画では、アップグレード通知の非表示設定についても合わせてアナウンスしている。
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