英紙ガーディアン電子版に掲載されたスタジオジブリの元プロデューサーのインタビュー記事が「性差別的」だとしてネット上で批判を浴びる事態となった。これを受け、このプロデューサーはツイッター上で謝罪し、「差別的で偏った考え方があった」と認めた。「女性は現実主義、男性は理想主義」問題となっているのは、2016年6月6日(現地時間)に掲載された「Womenarerealistic,menidealistic:StudioGhiblionwhyadirector'sgendermatters(「女性は現実主義、男性は理想主義」スタジオジブリはなぜ監督の性別を重視するのか)」だ。記事は、「かぐや姫の物語」「思い出のマーニー」をはじめ数多くのジブリ作品に携わったプロデューサーで、現在は「スタジオポノック」の代表を務める西村義明さんへのインタビュー。作品に込めたジブリの哲学や姿勢が綴られている。しかし、記事中盤「ジブリは女性の監督を雇わないのか?」という記者の質問に対する西村さんの回答が結果的に非難を集めることとなった。「どんな映画を撮るかによります。実演と違い、アニメーションは現実の世界を簡素化しなければなりません。女性はより現実的で、生活の管理がうまい。一方、男性はより理想主義的です。ファンタジー作品にはそんな理想主義的なアプローチが必要です。(監督に)男性が多いのは偶然の一致と思えません」こうした西村さんの発言が電子版に掲載されると、ネット上では世界的にも有名なジブリの女性差別的な側面が注目を浴びて国際的な批判が高まり、日本のツイッターでも、「昔ながらのオヤジ映画人集団ということなのだろう」「残念です」といった批判が寄せられた。こうした事態に発展したことに、西村さんは6月13日、記事の取材は15年9月28日にイギリスで行われたもので、発言自体がねつ造でないことをツイッターで認めた。さらに、自身が14年末にジブリを退社しているとことわったうえで「ジブリを代表した意見であるという誤解を与えたこと、ジブリを愛する皆様に不快な思いをさせたことを深くお詫びいたします」と謝罪した。一連のツイートの最後は「男性は観念的な傾向が強く、現実を生きる力は女性の方が長けている。そういう差別的で偏った考えは、確かに自分の中にありました。反省し、勉強します。映画を作るのに性別は関係ありません」と結んでいる。
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