2024年 5月 3日 (金)

「食べてもやせる」「動けないほど疲労」 その症状、甲状腺の異常かも

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血縁に発症者がいたら要注意

   バセドウ病とは真逆で、甲状腺ホルモンが不足する病気もある。

   西澤由美子さん(79)はお好み焼き屋を営んでいた16年前、ろれつが回らなくなり、会話がおっくうになり始めた。その後1年の間に声がかすれて出なくなり、耳も聞こえにくくなった。体全体を倦怠感が襲い、だるさから動けない時もあった。

   ひどい疲れだと思い様々な栄養剤を試すも効果なく、お好み焼きのヘラを持つ手にも力が入らなくなり、泣く泣く店をたたんだ。

   自分では「うつ」になったと思いしばらく病院に行かなかったが、しまいには平衡感覚も失い、まっすぐ歩いているつもりなのに周りの人から避けられるように。いよいよおかしいと感じ、総合病院を受診した。

   診断結果は「甲状腺機能低下症」だった。バセドウ病と同様、暴走した免疫細胞が甲状腺を攻撃して起こる病気だ。甲状腺組織が壊され、甲状腺ホルモンの分泌量が減って代謝が悪くなり、全ての器官の働きが鈍くなる。

   主な症状は、甲状腺の腫れ、寒気、皮ふの乾燥、太る、徐脈、倦怠感、便秘、むくみ、脱毛、記憶力の低下、コレステロール上昇、月経過多など。

   バセドウ病、甲状腺機能低下症の主な症状がいくつか当てはまっている人は、一度病院にかかったほうがよい。

   バセドウ病は甲状腺ホルモンの分泌をおさえる「抗甲状腺薬」、甲状腺の組織を破壊する「アイソトープ治療」、甲状腺の一部を取り除く手術のいずれかで治療できる。甲状腺機能低下症は「甲状腺ホルモン剤」を服用すれば改善される。

   どちらの病気も原因は正確にはわかっていないが、遺伝で免疫細胞が暴走しやすい体質を持った人にストレスやショックなどの要素が加わって発症すると考えられている。いずれかを発症した経験がある血縁者がいたら、一度甲状腺の検査を受けるとよい。

   血液検査は内科でも受けられるが、より詳しい診察が必要な場合は、「日本甲状腺学会ホームページ」で近くの甲状腺専門医を確認し、受診しよう。

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