2024年 5月 6日 (月)

LINE、黒字化でも株価「最安値」 「失望売り」の理由とは

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   無料通話アプリを手がけるLINEの株価が2017年1月26日、急落した。朝から売りが殺到し、一時は前日比655円安の3530円を付け、16年8月1日の上場来安値(3780円)をあっさり更新した。

   LINEは前日の1月25日、上場して初めての通期決算(2016年12月期)を発表。好調な広告事業を背景に、最終損益が75億円の黒字に転換したものの、市場の評価は厳しかった。

  • 2年ぶりに黒字に転換したものの・・・(LINEホームページより)
    2年ぶりに黒字に転換したものの・・・(LINEホームページより)
  • 2年ぶりに黒字に転換したものの・・・(LINEホームページより)

広告事業が売り上げをけん引

   LINEの2016年12月期連結決算は、売上高が前期比16.9%増の1407億400万円、営業利益は前期から10.2倍増の198億9700万円と大幅な増収増益を果たした。最終損益は前期の75億8200万円の赤字から75億6000万円の黒字に転換した。

   16年7月15日に東証1部に上場して初めての通期決算で黒字を確保した出沢剛社長は、2017年1月25日の決算会見で、「2016年は世界で大きな戦いをしていく準備が整った年だった。今後もそれぞれのサービスに大きな成長余地がある」と、自信をみせた。

   業績をけん引したのは広告事業で、売上高は50.2%増の547億円。具体的には、企業がユーザーに個別のメッセージや広告を送信できる、有料公式アカウント数が拡大。また、「タイムライン」や「LINE NEWS」の閲覧数の拡大に伴い、これらのページ内に掲載されるパフォーマンス型広告が順調に推移。出沢社長は「広告の増加トレンドは非常に強い」と説明した。

   ところが、順調にみえるLINEに株式市場が「冷や水」を浴びせた。1月26日のLINE株は、上場来安値を記録。一時、655円安の3530円まで売られた。終値は430円安の3755円。好調な米株式市場を反映して、東京株式市場に上場する銘柄も軒並み値を上げたことから、LINEの急落はことさら目立った。

   SBI証券シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏は、「LINEについては、そもそも多くのアナリストがバラ色の決算を考えていたところ、フタを開けたら『そうでもなかった』ための失望売りといえるでしょう」と話した。

   「失望」を生んだ原因を、藤本氏は「ゲーム事業(LINE GAME)にある」とみている。ゲームは当初、LINEが広告事業に次ぐ「収益の柱」とみていた事業だ。 2016年10~12月期の売上高の内訳をみると、広告事業が42%なのに対して、ゲームを含むコンテンツ事業は29%にとどまる。広告事業が、前期に「稼ぎ頭」だったコンテンツ事業(15年10~12月期は33%)を上回った格好で、多くの投資家らが「伸び悩み」と評価した。

   イラスト「スタンプ」などのコミュニケーション事業は19%だった。

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