2019年 1月 20日 (日)

宇多田ヒカルのツイートは誤解なのか 「教室での著作権料」めぐる混乱

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   日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作権料を取ると報じられたことを巡り、歌手の宇多田ヒカルさん(33)のツイートが波紋を広げている。

「もし学校の授業で私の曲を使いたいっていう先生や生徒がいたら、著作権料なんか気にしないで無料で使って欲しいな」
  • 宇多田さんのツイートが波紋(編集部で一部加工)
    宇多田さんのツイートが波紋(編集部で一部加工)

「著作権料なんか気にしないで」

   宇多田さんは2017年2月4日、著作権料の報道を引用して、ツイッター上でこうつぶやいた。

   引用されたのは朝日新聞デジタルの2日付記事で、それによると、JASRACは、ヤマハや河合楽器製作所などの音楽教室に対し、18年1月から受講料収入の2.5%程度を徴収する方針を固めた。教室の生徒も著作権法第22条の「公衆」に当たるとみて、著作権者の演奏権が及ぶと判断したというのが理由だ。個人運営の教室は除外するものの、これで年間10~20億円の徴収額になると推計しているという。

   一方、宇多田さんのツイートに対し、弁理士で金沢工業大学客員教授の栗原潔さんは、5日のヤフーニュースへの寄稿で、「勘違いされているのではないか?」と疑問を呈した。小中学校など非営利の教育機関に対しては、著作権法が及ばないとされていることを指摘したのだ。

   宇多田さんは、音楽教室のことを書き間違えたか、小中学校の授業などと区別がついていないではないか、としたうえで、この書き方だと、JASRACは、小中学校の授業からも著作権料を取ろうとしていると誤解されると書いた。

   もっとも、栗原さんの指摘のほか、宇多田さんは、JASRACの徴収方針とは別に、小中学校の授業でも気にしてしまう人が出ると考えて呼びかけたとの解釈もあるかもしれない。

   とはいえ、ニュースのコメント欄などでは、宇多田ヒカルさんの言う「学校の授業」をヤマハなどの音楽教室を含むと捉えた向きが多い。「音楽文化を潰す気か」とJASRACへの反発が強まっており、宇多田さんのツイートには、「すばらしい考えですね」「宇多田が代弁してくれた」などと賛同の声が書き込まれている。

   宇多田さんは、2月6日夕現在で、前出のツイート以降は更新しておらず、J-CASTニュースが、宇多田さんの所属レコード会社「ユニバーサルミュージック」に取材すると、「本案件についての取材は受け付けておりません」との答えが返ってきた。

社交ダンスやカルチャーでは徴収済み

   一方、JASRACの外部理事の玉井克哉東大教授(知的財産法)がツイッター上で釈明に追われている。

   玉井教授は、JASRAC が音楽教室は営利目的だとして10年以上も交渉を続けていることに理解を求めた。また、JASRACの利権についても反論し、著作権者には経費を控除して9割以上を配分していると強調した。

   しかし、ネット上では、CDが売れなくなって収入が落ちたから徴収するのではと憶測が流れ、経費の中身が問題だなどと批判も出ている。ヤマハなどの音楽教育事業7団体は、2月2日に「音楽教育を守る会」を設立して、JASRACの徴収方針に反対している。

   そこでは、「演奏権が及ぶのは公衆に聞かせるための演奏であり、音楽教室での練習や指導のための演奏は該当しない。文化の発展に寄与するという著作権法の目的にも合致しない」と主張している。

   JASRACの広報部は2月6日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。

「今回徴収を考えているのは、楽器メーカーや楽器店の音楽教室で、小中高などの授業では考えていません。宇多田さんのツイートは、きちんとした情報ではなく、誤解されていると思っています。徴収は、来年1月からを予定していますが、収入が落ちたからというのは関係ありません。社交ダンス教室やフィットネスクラブ、カルチャーセンターでは著作権料をすでに徴収しており、公平さの観点からもきちんとやりたいと考えたからです」
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