「たまごかけおにぎらず」動画、削除騒動 都食品衛生協会「完成後すぐ食べても...」

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   料理のレシピ動画を専門に扱うウェブメディア「DELISH KITCHEN(デリッシュキッチン)」が紹介したメニューに対し、インターネット上で「食中毒の危険がある」との指摘が相次ぎ、運営側が動画を削除する騒動があった。

   問題となったのは、生卵の醤油漬けをご飯で包んだ「たまごかけおにぎらず」という料理。デリッシュキッチン側は当初「調理工程自体は衛生上問題ない」と主張していたが、後に「調理環境によっては衛生上の問題が発生する可能性がある」として、ユーザーへの謝罪文を発表した。

  • DELISH KITCHENが公開していたレシピ動画(画像は公式YouTubeより、現在は削除済み)
    DELISH KITCHENが公開していたレシピ動画(画像は公式YouTubeより、現在は削除済み)

LINE NEWSは記事を非表示に

   デリッシュキッチンは2017年2月3日、「冷凍卵でもちもち濃厚!たまごかけおにぎらずの作り方」と題した動画を公式YouTubeチャンネルに投稿。動画の説明欄には、詳細な調理手順も掲載されている。それによると、今回の「たまごかけおにぎらず」の作り方は、

(1)生卵を殻のままジップ付きの袋に入れ、冷凍庫で一晩冷やす
(2)凍った卵の殻をむいて中身を容器に移し、自然解凍させる
(3)解凍した卵の黄身だけをすくい取り、3時間ほど醤油漬けにする
(4)醤油漬けにした卵を温かいご飯で挟み込み、周りに海苔を巻いてしばらく放置する

というもの。卵を一度冷凍させることで、通常よりも黄身が「もちもち」として濃厚な食感になるそうだ。

   こうした「たまごかけおにぎらず」のレシピ動画は、翌4日にLINE NEWSに取り上げられたことで注目を呼ぶことになった。だが、この料理を見たネットユーザーから上がった反応の多くは、「食中毒の危険がある」と注意を促すものだった。実際、ツイッターには、

「これ絶対ダメです。弁当に持っていったら必ず腹壊す」
「食品衛生上、絶対やっちゃいけないコンボ」
「何だか、食中毒になれといわんばかりの料理だなぁ...」

といった書き込みが数多く寄せられた。

   こうした指摘を受け、LINE NEWS側は6日夜、「安全面・衛生面について指摘があった」として記事の本文を非表示状態に。その後、記事への追記という形で、

「(デリッシュキッチン側から)梅雨時期や暑いキッチンといった状況でないかぎり、基本的には『急激に(菌が)繁殖するものではない』という回答を得ました」

と説明。その上で、読者に対しては「解凍時の注意事項について、LINE NEWS側での表記が不足していたことをお詫び申し上げます」と謝罪した。

   ただ、LINE NEWS側は「しかしながら状況によっては菌が増殖する危険性もある」とも指摘しており、記事本文は7日17時時点でも閲覧できない状態が続いている。

「ぜひ、お弁当に持っていかれてください」

   こうしたネット上の指摘に対し、デリッシュキッチン側は当初「フェイスブック上での釈明」でのみ対応。「たまごかけおにぎらず」のレシピを紹介した投稿に、

「卵解凍後はなるべく早くお召し上がりください」

といった一文を7日昼までに追記。そのほか、個々のユーザーから出た安全性を心配する複数のコメントに対しては、すべて、

「ご心配をおかけし大変申し訳ございません。調理工程自体は衛生上問題はないのですが、もしご不安がある場合は加熱処理してお作りくださいませ」

という定型文で答えていた。

   なお、今回のレシピはデリッシュキッチンの公式YouTubeとインスタグラムでも紹介されているが、こちらについては7日15時まで一切の対応が無く、投稿時そのままの状態が維持されていた。

   さらには、フェイスブックの追記では「なるべく早くお召し上がりください」としているが、インスタグラム上には「お弁当」として持ち歩くことを推奨するような文章も見つかる。一般ユーザーから寄せられた「冬場ならお弁当にも大丈夫でしょうか?」という疑問に対し、

「ぜひ、お弁当に持っていかれてください」

と運営側が答えた投稿も見つかった。

   こうした「矛盾」も見つかる対応や、調理工程を「衛生上問題はない」とした根拠について、J-CASTニュースは7日正午時過ぎに、デリッシュキッチンを運営する株式会社エブリーに質問状を送付した。

運営側「衛生上問題が発生する可能性が否定できない」

   その後、エブリーの広報担当者は7日17時ごろ、J-CASTニュースの取材にメールで回答。「たまごかけおにぎらず」に関する動画への対応について、

「殻を剥いた状態が長時間続く場合、調理環境によっては菌が繁殖しやすいという専門家の意見もあり、衛生上問題が発生する可能性が否定できないとの判断から、本日16時40分をもちまして本動画は非公開とさせていただきました」

と説明した。実際、フェイスブックやインスタグラム、YouTubeなどに投稿された動画や記事は全て削除されており、代わりにユーザーに対する注意喚起と謝罪文が新しく掲載されている。

   その中では、冷凍卵を調理する際の注意点を列記するとともに、「この度は、みなさまにご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした」などとユーザーへと謝罪している。

   なお、今回問題となったレシピについて、東京都食品衛生協会の食品安全推進室の室長はJ-CASTニュースの7日の取材に、「仮に完成後すぐに食べたとしても、食中毒の危険性が無いとは言い切れない」と指摘している。その理由については、

「卵の中にいる可能性があるサルモネラ菌は冷凍しても死滅しません。この調理法だと、自然解凍後の調理工程で菌が繁殖する可能性が考えられます。また、サルモネラ菌は少ない繁殖数でも中毒を起こします」

と説明。その上で、サルモネラ菌で食中毒を発症した場合、下痢や腹痛、発熱に嘔吐などの症状が出るほか、最悪の場合死に至るケースもあるとも話していた。

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