2018年 12月 12日 (水)

加熱式タバコを誤飲する事故が急増 煙が出ない「安全」が幼児に「危険」

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   「アイコス」などの加熱式タバコが人気を集めている。煙が出ずに周囲に迷惑をかけないことがヒットの秘密だが、幼児が誤飲する事故が増えている。

   紙巻タバコと違って副流煙が出ない利点がアダになり、家の中で吸う親が多いからだ。日本小児科学会や日本禁煙学会の専門医らが、それぞれのウェブサイトやツイッターで注意を呼びかけている。

  • 幼児は何でも口に入れたがる
    幼児は何でも口に入れたがる

母親が起きた時に赤ちゃんがクチャクチャ

   加熱式タバコは、刻んだタバコの葉をヒートスティックに詰め、電気で熱を加え発生した蒸気を吸い込むもの。煙が出ないうえ、ニコチン量も少ないというふれこみが人気となり、日本では2015年から本格的に発売された。日本小児科学会は2017年2月、幼児の誤飲事故の事例をウェブサイト「Injury Alert」(傷害速報)に公表した。「傷害速報」は子どもの安全を脅かす事故について、保護者や医師に注意喚起するものだ。今回公表された誤飲事故は次の2つだ。

   【事例1】年齢・性別は9か月男児。場所は自宅リビング。

   男児は父母と3人暮らし。父親が喫煙者で、男児の誕生を機に紙巻きタバコから加熱式タバコに変えた。事故発生時、男児の手が届くテレビ台の上(高さ約40センチ)に加熱式タバコのスティックの入った箱が、封の開いた状態で置いてあった。スティックの中には刻んだ葉が詰め込まれていた。

   午後1時頃、母親が男児の異常に気づき、口をこじあけると、スティックのフィルターだけが口の中に残った状態だった。周囲にタバコの葉などは見当たらず、スティック一本すべてを男児が食べたと思われた。実は1か月前にも同様の事故があったが、その時はスティックが折れ、タバコの葉は床に落ちてフィルターだけが口の中にあった。

   すぐに救急外来を受診したが、誤飲して1時間が経っており、顔色が悪かった。担当医は輸液を開始し、生理食塩水で胃洗浄を行った。胃洗浄で中等量のタバコの葉を回収できた。加熱式タバコの販売元に成分を確認したが、明確な回答は得られなかった。そこで紙タバコ1本分を誤飲したものと考え、入院させて様子を観察した。状態の悪化が認められず、翌日に退院したが、2回目であることから、地域の保健師の指導・介入が予定されている。

   【事例2】11か月男児。帰省先の実家の居間。

   午前6時に母親が目を覚ました時は、男児はすでに起きていた。口をクチャクチャさせており、周囲に噛(か)みちぎったスティックが2本分落ちていた。すぐに口の中のものをかき出し、救急外来を受診した。男児は病院では1回おう吐した。

   スティックは父親のもので、封を切った状態で50センチの高さの棚の上に置いてあった。口の中からタバコ葉の塊が約8センチ出てきたが、誤飲した正確な量は不明であった。幸い、血圧、心拍数などに異常はなかった。1日入院し、翌日午前10時まで観察したが、状態に変化をみられなかったため帰宅した。担当医がニコチンの含有量を調べたが、明確にすることができなかった。

スティックは幼児が飲みこみやすいサイズ

   今回の公表について、「こどもの生活改善員会」は事例解説のコメント欄に加熱式タバコの「危険性」をこう指摘している(要約抜粋)。

   (1)加熱式タバコのスティックには、紙巻タバコと同様にフィルターが付いているが、長さが約2.5センチと紙巻タバコの半分で、幼児が一口で口の中に入れられる大きさになっているのが問題だ。

   (2)加熱式タバコの使用者が吸引する有害物質は、紙巻タバコより少ないとされている。しかし、ホルムアルデヒドなどの有害物質が含まれているという研究もある。また、スティックに含まれるニコチン量に表示義務がないことも問題だ。紙巻タバコより高い濃度でニコチンが含有されている可能性もある。米国では、加熱式タバコに仕組みが似ている電子タバコの有害性が指摘されており、2歳未満の幼児が電子タバコのスティックを飲みこんだ場合、紙巻タバコを誤飲したケースより重篤になるという報告がある(重症化するリスクは2.6倍)。

   (3)加熱式タバコメーカーが「副流煙が出ない」と強調しているため、今後、幼児がいる家庭でも使用者が増える可能性がある。

「保管場所」より「捨てる場所」に注意を

   一方、日本禁煙学会理事で済生会滋賀県病院健康管理センター長の稲本望医師が2017年1月10日にツイッターに投稿した一連の内容が話題になっている。京都新聞2月9日付記事によると、「稲本望さんへのリツイート(転載)数が約5千件に上り、禁煙学会も国に加熱式タバコの内容物を明らかにし、毒性をしらべるよう求めている」という。

   稲本望医師は投稿の中で、こう語っている(要約抜粋)。

「紙巻タバコから加熱式タバコに変える喫煙者が増え、スティックを誤飲する乳幼児の事例が増えています。これまでにない事例なので、夜間救急の小児科診療の医療機関では応対できません」
「加熱式タバコは、紙巻きタバコ同様、子どもの手の届かない場所に保管してください。皆さん保管場所には注意しているかと思いますが、特に注意していただきたいのは『捨てる場所』です。子どもの手が届く場所にあるゴミ箱に捨てていませんか?」
「あるレビューに、『火を使わないので灰を出さず、吸い殻は燃えていないのでゴミ箱に捨てちゃいます。火事になる心配もありません』と書いている人がいます。とても危険です。子どもに誤飲されたくなければ、絶対に子どもが手の届かない所に捨ててください!」

   火を使わない「安全性」も子どもの危険を招くアダになっているのだ。

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